朗読劇・私の頭の中の消しゴム@銀河劇場

去年に引き続いて、5月の2日と8日に天王洲アイルにある銀河劇場で朗読劇を鑑賞してきたのでメモ。本編の内容とは関係の無い事が多いかも知れない。前後のオフ話は省略。

いつもの

会場の銀河劇場は初利用。10年ぶりにモノレールを利用したのだけれど、何も変わってなかったのに逆にビックリ。車両の耐用年度が凄いのだろうか。『30 minutes〜』の時のFCイベントでも使われてた会場なのだけれど、あの時は申し込んで当選したのに、振り込まずに不参加という、今となっては勿体無いことをしたもんだと反省。ちょうど熱が醒めてた時期だったのだけれど、その話は関係ないので今回はパス。
駅ビルと繋がっていて、近隣には食事所もあるので立地としてはそれなり。割かし平坦な1Fと、切り立って奥行きの無い2F席、3F席という構造は、自分の中では小さな旧JCBホールという印象。2日が中央の2列目で、8日が下手の2列目だったので、後ろや上から見るとどんな雰囲気かは分からないし、PA関係も文字にするには情報不足すぎる。また、何かの機会で訪れてみたい場所ではあるけれど。
相手役の別所さんのファン層は詳しくないけれど、やっぱりお客さんは女性が過半数だったかな。カップルや夫婦も居たし、割と良いバランスだったと思う。良いという価値観も変な話だが…

本編

内容に関するストレートな感想は、前回の初見の時を大きく逸脱するようなものは無いので、興味がある人はこっちを参照してください。
朗読劇『私の頭の中の消しゴム』と劇場版「TRIGUN Badlands Rumble」 - とーかみにっき
何を持ってストレートと考えてるかといえば、劇の登場人物の視点に立ってとか、この作品で言えば記憶や夫婦愛がどうだとか、そういう方面の話。このエントリーで書こうかと思ってるのは、役者による比較やら、マルチキャストについてや、同じ劇を短期間で複数回見ることの意義とか、クダラナイことばっかりなので、文章の流れを意識しないで済むように箇条書きで。

  • お相手が別所さんだというのを知った時に真っ先に考えたのは、自分がイメージする浩介の若さ・幼さをどこまで演じきれるかという不安だったのを思い出す。見終わった今となっては素晴らしい浩介だったと言えるけれど、やっぱり物語後半の方が、より役と役者を重ね合わせて、別の言い方をすれば、役者という存在を意識することなく見れた気がする。それは見る側としても1つの理想だし、役者が目指してる域でもあるはず。ただ、劇中では終盤の薫が浩介から去った時でも、2人とも20代後半のはずなので、役を自分に引き寄せたという方が適当なのかも。
  • 泉見さんと別所さんの2人の浩介を見た一方で、薫は真綾を3回も見てしまったのみなので、良くも悪くもイメージが固まってしまっている。4thを観劇することがあれば他の人の薫を見てみたい。そもそも、同じ脚本を7組が2度ずつ上演するという形式は特殊な部類だと思う。いわゆるマルチキャストとも少し違うし、作品のファンよりも役者のファンを意識している気がする。勿論役者によって雰囲気は異なるし、2人の掛け合いが生命線の舞台なのだから、ペアでリハーサルを重ねる必要はあるけれど、どうせ同じ本なのだし、1つの上演期間に同じ役者で違う相手役を見たいという人もいるだろう。とはいえ、男女n人ずつで組み合わせを網羅してn^2パターン上演するというのも非現実的か。

自分で読み直してて気づいたけど、結婚や夫婦がテーマなのに、キャストのカップリングころころ変わっちゃうのはダメだわw

  • 前の項目とも関連するけれど、1週間も間を置かずに同じペアを2回見たのは、良席に釣られ過ぎたと少し反省している。特に2日が相当にベストポジションだったので、8日は何に主眼を置いて観劇しようか悩んでいて、結局は決められないまま漠然と見てしまった。レミゼみたいな舞台の規模だったら、たとえ2日連続で全キャストが同じでも見る場所に困らないのだろうし、音楽ライブならセトリや席によるPAの違いを楽しんだりできる。今回のハコの規模と、演出、出演者の人数だったら、1ヶ月くらい間を置くと美味しかったかも。ここらは経験を積んで自分のルールを作る必要がありそう。
  • 8日は観客席のあちこちから咳払いが飛んできて、台詞と被ったりすることも多く、こめかみを軽くピクピクさせてたのだけれど、舞台の邪魔という意味ではすすり泣きも咳払いも大差ないんじゃないかと上演中にふっと考えたりした。実際に大差はあるわけで、すすり泣きに対してピクピクしないのは何故かといえば、それが劇の内容に対する観客のリアクションだからかな。ここは笑わせてやると脚本家や演者が思った部分で、客席が静かだったら彼らはガッカリするだろうし、逆に客席で泣いてるお客さんに中てられて演技に熱が入ることもあるだろう。実際に、去年の1st letterの時に真綾はそんな内容をどっかで喋ってたと思う。
  • これも1個前の項目に関連して。今年の脚本には幾つかの変更点があると思うのだけれど、確実に去年とは違った部分として、新婚直後の山登りで新居の話をしていちゃついてる場面でのやりとりがある。それは朗読劇を見ている客が居ることを前提として書かれてるのだけれど、個人的には作品構造に絡まない安易なメタは醒めちゃうから嫌な感じ。中盤のシリアスの匂いが漂い始める直前だったので、配置としてはギリギリ許容範囲内なのだけれども。
  • 舞台の冒頭はお互いの過去の日記を読み合うのだけれど、あれは時系列的にはどこに位置してるんだろな。途中で過去の日記を読んで懐古するのではなく、リアルタイムに進んでいくところ切り替わる箇所があるはずなのだけれど。その後で台本を交換する時に、別所さんが真綾の頭上高く台本を掲げて、真綾が台本を取ろうと必死にぴょんぴょんする様が傍目からは可愛い。真綾の内心や如何に。あと、真綾が濁らせて張り上げる声は、長期的に聴いてたら本当に苛々すると思う。相手への悪意をオブラートに包まない感じが現れてて、やっぱり声優さんて凄いなと感心するやら怖いやら。
  • 前置きすると、この段落は超絶に下世話な内容を含むから、読み飛ばしてもいいと思うよ。薫の病状が進行して浩介のことをカズヤさんて呼ぶようになる辺りからの、打ちのめされてる浩介の精神的NTRっぷりが素敵ってのと、ずっと『カズヤさん』て呼ぶんじゃなくてカズヤさん→ヒデキさん→ケイイチさん→テツヤさん→ と男性遍歴を遡っていったら面白いなーというのを、ネタとして思った。薫という登場人物にとってカズヤさんは、10年以上続けてきた日記を終わらせる位に大事な人間らしいから、それまでずっと箱入り娘だったという設定も可能だろうけれど。

とりあえず思い出した所はこんなもん。他に本編の内容を記すなら、劇中の音楽は要所要所の場面切り替えでしか使われないながらも、耳に残る良いメロディだったというのと、照明演出は種類・色彩ともにシンプルながら効果的に使われてたと思う。8日の大楽ではスタンディングオベーションも沸き起こり、まさに鳴り止まないカーテンコールだった。カテコでの別所さんと真綾のナイスカップルっぷりには私の頭の中の緑の怪物も活動しかねないね。4thは2012年の5月に同じ銀河劇場であるそうなので、興味を引くキャストさんが出演してたら見にいってみようと思う。最後まで読んだ人はお疲れ様でした。