LIVE 2012 TOUR "ミツバチ" @オリンパスホール八王子

特典をどうしようか悩んだままCDを買わないうちにツアーが始まってしまった。今回はツアーの期間も長いしライブの内容も内容だったので、ポエム染みた内容は含まない薄いレポにしようと思う。当然にネタバレを含むのでまだ参加してない人は注意してね。(6300)

いつもの

会場のオリンパスホール八王子は初利用。というか、八王子で下車することが生まれて初めてだった。高尾山がすぐそばにあるのに、駅周辺は賑やかで都会だなーという印象。オリンパスホール八王子は駅ビルの直ぐそばにある商業施設4Fに入り口があり、駅からのアクセスや前後の時間潰しには困らない良いハコだった。
YCCM初日の物販がグダったからか、開場時間の3時間前に始まった物販はスローペースながらも着実に列を消化していき、特にトラブルも無さそうだった。平日の昼間だし、売り切れが予想されるような数量限定のグッズも無いもんね。自分は他の公演にも参加する予定なので、ショッピングバッグとパンフレットだけ購入。GiftやYCCMと比べてしまうと、今回のパンフの厚みと値段には少し不満があるのだけれど、スマフォ連携の方に予算が割かれてるんだろうから仕方なし。ここに来て急にガラケー遣いへの風当たりが強くなってきた感はある。
ミツバチのジャケットを模した、顔の部分に穴が開いた記念撮影用のパネルは、スタッフの必死な営業にもかかわらずスルーされ気味だったのは致し方なしか。ライブ中の真綾のMCによって、終演後にはそれなりの列が出来ていた。2枚じゃ足りないんじゃないかなーって必死に心配するさかもっさんは可愛いですね。これからルート38を通って全国を巡ってくるわけで、大晦日の中野の頃には端々がくたびれてたりするのかしら。
北川さんも呟いてたように、ホール内部は新しくて綺麗なのが好印象。前後の列と座席半分だけズレていて視界を確保し易い上に、1F部分はフロアの傾斜が緩やかだったので、自分の座席があった20列弱からでもステージ上とさほど視線の高さの差が無かった。
ステージ上は、後列が上手からベース千ヶ崎さん、パーカス松本さん、ドラム佐野さん、キーボード扇谷さん、コーラスのハルナさんとKAZCOさんで弧を描いてて、前列が上手からバンマスでギターの北川さん、真綾、ギターの奥田さんという布陣。ステージ前方の左右にかなりの高さのスピーカーがデデンと積まれていたので、舞台の大きさよりは演者が動ける範囲は小さく、コンパクトなステージに感じられた。左右の前方の席からだと、見切れる演者さんも居たかもしれない。
全般的な音に関しては、ボーカルマイクが強めに押し出されてて、歌声が演奏に埋もれることは少なかった。ナタリーの座談会で奥田さんがギターは音域的にボーカルを喰ってしまうということを言ってたので、そこらへんは意識的に調節してくれてるのかしら。総じて音には満足したかな。
照明は定番になった演出もあれば、変えればいいのにって思うのもあるけれど、座席位置によって感じ方が違うから何とも評価し辛い。自分の座席にピンポイントで長時間刺さり続けるの照明は無かったので、そういう意味ではラッキー。あと、自分の視界にはサイリウムは入らなかった。真綾側の思惑とは裏腹に、完全な新規のお客さんがそんなには増えてないということになるかはさておき。
あと、衣装に関してはペンギンさんが早速お絵かきレポをアップしてらしたので引用させてもらいます。ペンギンさんが主役のややデフォルメされたライブレポの方も見たいなーとか、こんな所で呟いておく。
11/14坂本真綾ミツバチ八王子超絶うろおぼえ衣装イラストレポ

本編

MCが挟まる前後でブロック分けして、身勝手なコメントを付け足していく感じにしようかな。

前半

01.トライアングラー
02.DOWN TOWN
03.スピカ

トライアングラー』を冒頭にぶつけてくるのは多分正解。ミツバチに関するインタビューでこの曲に対する葛藤を言葉にしてたけれど、無事にセトリに入るのも、その葛藤を口に出来るからなんだろうな。事前にセトリ予想をしていた時にバラードっぽい曲が余りにも少なかったので、マクロスFイベントのシークレットゲストで披露したらしいアコースティックのしっとりしたバージョンを披露するのを密かに期待してたんだけれど、お預けとなりましたとさ。
DOWN TOWN』はスパンコールみたいにピカピカしてる背景幕に七色の照明が当たっていて、とても華やかな空間に仕上がっていた。照明技術もデジタル面でもアナログ面でも色々と進化してるのだろうな。本でも読んで1度勉強してみようかしら。北川さんは例によってギターを放り出して踊っていた。バンマスが楽しそうで何よりである。
スピカ』は次の曲と同じで、ABメロとサビのギャップが味だと思うので、そこのスイッチ役を担う「知りたいの」の歌詞の部分の照明演出ってとても大事だよね。Cメロ最後の「始まるメロディ」の部分も、他ではあまり聴けない感じの真綾の声の使い方を挟んでのラスサビだし、とっても技巧的な1曲だなーと思う今日この頃。

04.雨が降る
05.おかえりなさい
06.モアザンワーズ
07.プラリネ

冒頭から7曲連続でミツバチ収録曲をぶつけてくるお祭りセトリ。『雨が降る』は去年の富岡でも聴いたけれど、バンド構成の方がABメロの美しくも物悲しい感じとサビの激しさとのギャップが際立って好きなので、かぜよみツアーぶりで聴けてかなり満足だった。初めて音源を聴いた時からずっとBメロがお気に入りなのだけれど、3年前よりも昨日の方が綺麗だった気がする。歌唱力の違いなのか、コンディションの違いなのかは分からないけども。
ここのところライブで聴く頻度が一番高いのが『おかえりなさい』かも知れない。サビの「思い出に」の「に」の音がどう出るかで、真綾の喉のコンディションを勝手に推測してるんだけれど、この日はスムーズに安定して出てた。ただ、伸ばした「に」の音をどう消すかに関しては、個人的にはフェードアウトみたいなのが良いなーとか思ってしまう。ま、どうでもいい好みの話。
ステージの最前方に薄い紗幕が下りてきて、PVを照明演出で再現しようという試みだった『モアザンワーズ』。ライブでは初披露だったのだけれど、Bメロのピッチが取り辛そうに聴こえたので、やっぱり菅野楽曲は難しいのだなと再認識。この日のセトリで他にそれを思ったのが、テンション上がりまくってる状態での『マジックナンバー』の極一部と『猫背』くらいだったので、やっぱり菅野さんは難曲書きなのだろう。ラストの盛り上がりにおける佐野さんドラムは必見。
前曲の悲愴感とは好対照な『プラリネ』を聴くと、否が応でも思い起こされる誰かさんなわけですが、まー、それはそれで。アウトロが長いとかぜよみツアーみたく脇に引っ込んでしまうのかなーと思ってしまうね。今回は引っ込むわけではなく、各バンドメンバーに少し近づいたりしてステージ上を散歩してた。佐野さんのドラムセットの前に少しだけスペースがあり、定位置よりも1段だけ高くなってたので、客席の高い所を見たい時とかに利用してたのかも。

08.君に会いにいこう
09.パイロット
10.さいごの果実
11.バイク
12.Buddy

ミツバチの前にもハチポチとニコパチというシングルコレクションをリリースしていて、そこらの関連性を喋った後で古いシンコレかも少しだけ歌いますというMCに湧き立つお客さん。
ということで、このブロックは完全に予想外の楽曲が連続して押し寄せたため、ちょっと興奮で脳汁が出続けていた。『君に会いにいこう』はライブで初めて聴けたのでそれだけで嬉しかったし(神ブログさんによると13年ぶりらしい)、一人称が「僕」の曲が2つ続いたのも素晴らしかった。
パイロット』はモノクロの風車が多く回るスクリーン映像をバックに、ギターの奥田さんが浮遊感溢れる音色でボーカルに寄り添うように奏でていたのが印象的。かぜよみツアーの名阪で聴いた時は色んなことが脳裏を過ぎったのだけれど、今回はそこらも織り込み済みだったので32歳の坂本真綾が歌う『パイロット』を楽しめた。
イントロを聴いた時にはニコパチの曲は?と頭に疑問符が浮かんだのだけれど、直ぐにそんなことはどうでもよくなってしまった。今回のセトリでボーカリスト坂本真綾の魅力が最も現れたのが、この『さいごの果実』だったと思う。バックの演奏は扇谷さんのピアノを中心としたアコースティックアレンジになっていて、音数も決して多くはないのだけれど、その分だけ真綾の歌声が持つ表現力とか凄みとかがストレートに伝わってきた。ステージ後ろの幕に投影された本人のシルエットもお美しゅうございました。
そして興奮も冷めやらぬままに始まるのが超レアかつ超名曲の『バイク』なわけで、この時の自分の興奮を皆様、お察しいただけるだろうか?いや無理だ(反語)。千ヶ崎さんがひたすらベベベベベベベベと弾き続ける様を双眼鏡で見ることは出来なかったけれど、サビでの伸びやかな歌声と2コーラス目から始まる佐野さんの軽快なドラムを楽しむ。いよいよ転調からの耳朶をくすぐる「私たちってねぇ」タイムかと思いきや、ステージ袖へとスタスタ歩いていくさかもっさん。ここで衣装替えタイムかーい!!!福田さんとかが思いついちゃったんだろな。ちょどいいから改行。

後半

てことで、件のパートはコーラスのお2人が歌い、(真綾じゃないのが残念だけれど、この2人も当たり前のように歌は上手いし良い声してるので素敵だった。)そこからメンバーのソロ回しをへて、佐野さんと松本さんの競演(共演?w)を経たところで真綾がステージに戻り「地球の果て」と繋いで楽曲は締めに向った。他に指摘してる人も居たけれど、リズム隊のソロでメロディが完全に途絶えちゃったのはちょっとなーと思った。簡単な反復でいいからメロディを残しておいて貰えればぶった切り感は薄れたと思う。そうなるとソロが難しいんだろうけれど、それこそ腕の魅せ所なわけでさ。
そして、ここに配置されるのが『Buddy』なんだけれど、これは冒頭に『トライアングラー』を配置したのと同じで、単体で推進力が強い曲の効果的な使い方なんじゃないかなーと思った。照明が相変わらず原色のアレで、目を瞑ることが多かったのだけれどね。もっと違った方法で疾走感出せないもんかしら。それこそ空を飛ぶ映像とか使ってさ。

13.action!
14.Private Sky
15.Get No Satisfaction!
16.マジックナンバー
17.風待ちジェット
18.猫背

シングルコレクション+ミツバチの+(プラス)部分には意味があるのよ、という話から演奏されたのが、これまたライブ初披露となる『action!』。煌びやかな雰囲気の照明はDTの演出と通じる部分もあり、あっちがシティっぽさなら、こっちはフレンチポップなんだろうか。サビ前の「ready?」とかちょっと恥しそうに控えめに歌ってて可愛かった。
そしてバスドラムの4つ打ちをBGMにしてのバンド紹介を挟んでからの『Private Sky』。こっからの3曲に関しては「あれ、どっかで聞き覚えある流れだなー」とか思ってしまうのは仕方ないよね。kalafinaもライブ本編終盤のアッパーパートは毎回アレとかアレとかだし。バンマスの楽曲をやらないのもどーかと思うんで、せめて一捻りが欲しいかなーというワガママです。わがママじゃない?
どっかでやるだろうと思ってた『風待ちジェット』はこんな場所に配置されていた。ステージの外枠をも跳び越して青空が投影されるという、開放感溢れるスクリーン演出の中で、最初からクラップが求められたり、2度目のサビ後の間奏が今まで聴き馴染んでたのよりも短い構成になってたりと、耳馴染んでたのとは少しだけ違った雰囲気だった。これが『mitsubachi edition』なのかしら?
前の曲が終わるに向けて、青空が段々と暮れていき夜の帳が下りると、今回のアルバムでの唯一の完全新曲である『猫背』が披露となった。いつもは試聴音源とか真っ先にチェックするタイプなのだけれど、今回は気まぐれで発売までラジオとかを封印していたので、ライブの場で初めて聴く状態だった。歌詞がストレートなのと、メロディのアップダウンが激しいのと、キーが高い曲だなーというのが愚直な感想。曲構成も単純な繰り返しでは無さそうだし、次にライブで聴く前にしっかりと音源で予習をしていこうと思う。

19.ループ
20.ポケットを空にして

今回のツアーで最後に聴いてもらいたい曲として選ばれたのは、真綾自身が”2度目のデビュー曲”と表現する『ループ』だった。今回のツアーは全体的に軽いMCが多くて、途中で何か喋って欲しいことがある?と客席に放り投げるくらい適当な、良い意味で肩の力が抜けたライブパフォーマンスだったのだけれど、最後に締める所はきっちり締めてきた。個人的に『夕凪LOOP』もアリなんじゃないかと思ったけれど、残念ながら外れてしまいましたとさ。
最後の曲って言ってたのにスタッフが替えのギターを持ってきて、アレよアレよという間に馴染みのコードがかき鳴らされた時は、「えっ??アンコールをやらない新パターン??」と思ったのだけれど、頭の中でやった曲とやってない曲を指折り数えてたら合点がいったので、みだらな気持ちをぶら下げてた。

ENCORE

21.ミツバチと科学者
22.約束はいらない
23.デコボコマーチ(隊列は君に続く)

ツアーTシャツに着替えて全員再集合。惜しくもアルバムへの収録から漏れた曲の中からということで初披露の『ミツバチと科学者』。目映い黄金色の照明の中で、サビのちょっと不思議な声の出し方もきっちり再現されていて、Cメロのテンポ良い掛け合いはコーラスの2人と役割分担してた。その手があったか。
みんなが好きな曲という『約束はいらない』は、YCCM国際フォーラム公演の音源はCDに収録されなかったので久しぶりに聴いたけれど、佐野さんのドラムが入ってるバージョンはラスサビ前からの爆発感が凄くて、色んなものが溢れ出してくる感じが素敵。別に僕の涙とかではない。
そして最後は新たな定番にしたいらしい『デコボコマーチ(隊列は君に続く)』。ポケ空の座を奪えるかはファンに掛かっているらしいが、長い目で見てどっちが望ましいかは難しいところだな。
バンドメンバーの皆さんも小さいサイズの楽器を持って、ステージ最前列に横並び。そして、黄色にミツバチロゴがプリントされた小さな旗を振りかざす真綾を先頭にして、なんと会場の1F席の通路を練り歩くデコボコマーチが始まった。前後にスタッフを1人ずつ配置しただけのザル警備で客席の中に突っ込んでいっても、誰も手を出したりしないお行儀の良い真綾ファンだからこそ成り立つ演出だね。
え、ってことは通路際に居る僕の目の前を通るのかしら?と思ったら本当に20cmくらい先を真綾が通っていった。この距離の近さで、かつこちらが立ってるというのは流石に珍しすぎる経験。真綾は小さいなーというのと、きっちり化粧してるなーという感想を持った朴念仁です。まぁ、BNTでハイタッチしてるし、ジャンヌも目の前だったしなー(自慢
事前に練習しといてねという話だったコーラス部分は、まだまだ錬度が足りず、コーラスのKAZCOさんが全身で音程を表現してくれたり、歌わないでいいところはミュートを掛けようと奮闘してくれてたのだけれど、即席じゃあれくらいが限界だったかね。ここらはツアーが進むに連れて良い感じに仕上がっていくのではないかと思う。
最後には真綾が振っていた旗を最前列のお客さんにプレゼントするサプライズも。旗にはちゃんと日付とサインが入ってて1点モノなのだよね。幸運にも貰った人が、終演後の会場で写真撮影の機会を他のお客さんに提供して下さっていたので写真を撮らせて貰いました。ありがとう&おめでとう。

ということで、さらっと?本編を振り返ってみた。今回のライブは真綾本人がお祭りセットリストって言ってたのもあるけれど、特にメンドクサイ考え事をする余地もなくて、底抜けに歌と演奏を楽しんで終わることが出来たように思う。物足りないといえば物足りないけれど、毎度毎度ポエム書くのもなんですし、こんなツアーがあっても良いんじゃないかと思います。というか、これからは増えるんじゃないかな。
全15本のうち最初の1公演が終わっただけで、まだまだミツバチツアーは続いていくし、自分も手元に2,3枚のチケットがあるので、またどっかに参加したら感想でも書こうと思う。参加した人、読んだ人、お疲れ様でした。