エヴァQと夜のとばりの物語の続編を見た

タイトルは前回の2行エントリーと偽物語とシュシュトリアンがごちゃ混ぜミックスピザ状態なので気にしないで欲しい。25日の日曜日にlazymtg面子とエヴァQを、27日にしまさんと夜のとばりの物語を見てきたので、軽くメモを残してしておく。エヴァQの内容に対する考察なんかは無いけれど、ネタバレ要素もある予定なんでそこらは自己責任でお願いしたい。(1800+0)

エヴァQ

金曜ロードショーで2週連続放映してたのをまんまと録画してしまい、暇つぶしに見てしまったら割と面白かったのと、お誘いもあったのとで公開から1週間ほどで見ることになった。天邪鬼で流行りモノは遠ざける性質の自分にしては珍しい早さである。ここらは真綾補正が大きいと言えるだろう。
TLやネット界隈ではネタバレがどーだこーだと騒がしかったが、作品への思い入れが強いわけでもないので、早々に情報を漁って話の筋を把握した上で新宿のバルト9で見た。座席が5列目のセンターで視界いっぱいにスクリーンが広がっていたお陰で、作品鑑賞に没頭できたことが思いの外に楽しかったのが最大の感想だろうか。生粋のエヴァファンからすれば酷い感想に思えるだろうが、あんまり映画観に足を運ぶ習慣が無いので勘弁願いたい。
自宅で映像作品を見ようとすると、シークバーやリモコンを操れるせいで、よっぽど面白いものでない限り最初から最後まで身じろぎせずに映像作品に集中することが出来ないのである。教室にじっと座ってられない小学1年生みたいで恥しい話だが、事実なので仕方あるまい。なんで語尾が妙に古めかしいのだろう…
内容に関しては”エヴァってこんなだよなー”ってぼんやりと思えたので、割と期待通りに楽しめたといえる。見てるだけで全てが分かってカタルシスを得られるというよりは、あーだこーだと議論してる他人を眺めるのが楽しい作品という風に言い換えることも可能だ。その議論に積極的に混じっていく程にはエヴァファンではないが、議論の前提くらいは抑えておいた方が楽しめる、といった塩梅である。
序を見たときに痛切に思った主演陣の声の変化も、あんまり気にならなくなったし、アスカなんか良いキャラだなーと見てて好感度が上がったくらいである。ここまで乗ってしまった船なので、生きていたら次のエピソードの時も映画観に足を運んでもいいかもしれない。あと、エヴァの上演前にやってた特撮モノも割と面白かったし、その前に上映してた12月公開のレミゼの映画のメイキングは素晴らしく面白そうだった。レミゼは必ず劇場に足を運んでみると思うし、2回見てもいいかもしれない。柄じゃないが泣くかもしれないので1人で行きたい類ではあるけれども。

夜のとばりの物語 −醒めない夢−

今年の3月に試写イベントを見に行ったフランス産のアニメーション『夜のとばりの物語』の続編が作られ、再び真綾が声を当てているのと舞台挨拶イベントもあるということで、3%弱の倍率を勝ち取った剛運のしまさんにお願いして連れてってもらった。ありがとう。めるしーぼーくー。
舞台挨拶は色んな所で記事になってるので中身に関しては省略でいいか。かなり近い距離で見れたのは嬉しかったけれど、ややお疲れの表情に見えた。自分のライブツアーとかに比べれば圧倒的にアウェイの環境だし、緊張する部分もあるのだろうけれど。
で、内容の感想の方に移ると、3月に見たときと同じでやっぱりモヤモヤを抱えたまま上映が終わった。そこらが何でかなーということをエヴァとの比較で考えてみたので、今回のエントリーと相成ったわけだけど、言葉と表現を尽くして自分の感覚を伝える気力もないので、自分用のメモ程度になると思う。
夜とばにおいてモヤモヤやイライラが募るのは、登場人物の言動がどういう感情から生まれてるのかが理解できないからに尽きるんだと思う。夜とばはオムニバス作品なので、続編の方に含まれてるエピソード「イワン王子と七変化の姫」とかそんな感じのお話を例として挙げてみる。
あらすじを大雑把に説明すると、

1:イワン王子の父親が危篤状態で、それを治すために黄金のスモモが必要らしい。
2:けど、黄金のスモモが成る樹の持ち主はケチだから無料じゃくれなさそうだ。
3:盗み出そうと侵入したけれど、捕まったので命乞いしながら事情を説明した。
4:そんな事情ならと盗みに入ったのを許され、別の人が持ってる分裂の壺と交換なら黄金のスモモをあげると提示される。
5:分裂の壺の持ち主の館に侵入して盗もうとするも、捕まって(ry
6:そんな事情なら(ry、黄金の蹄の馬と交換なら。
7:黄金の蹄の馬を盗み出そうと(ry 七変化の姫を連れてきたら。
8:七変化の姫にかかってる呪いを解ける唯一の人間がイワン王子だった。
9:変化能力をフル活用して、すったもんだでスモモを手に入れて父親が生き返ったとさ。

このシナリオで何故イライラするかといえば、5,6,7の『盗もうとする→失敗する→許される』の流れを繰り返すのが理解できないからだ。同じ轍を踏み続けるイワン王子にも、そんなイワン王子というキャラを生み出す製作者にすらも、少しも苛立ちを感じないといったら嘘になる。実は前作の時も、見終わった時に国籍や世代が違うからこういうお話になるんだろうかと随分と首を捻った。今回はそういう意味じゃ割と納得できるエピソードが並んでたと言えるかもしれない。
で、数日前に見たエヴァと比較してみた。あっちもキャラの行動原理が分からないが、その手のストレスが溜まらないのは何故だろうと考えてみた。今のとこの答えは、キャラの行動原理に重大な影響を与えるはずの舞台設定や裏事情が、全ては明らかになっていないという認識があるからだ。現時点ではこのキャラがこういう発言をする理由はサッパリ分からないけれど、将来的には分かるようになるだろうという希望があるからこそ、その分からなさを肯定的に捉えることが出来るんだと思う。
イワン王子は天丼が大好物だという裏設定があるのなら、夜とばに対する苛立ちは軽減されると思う。我ながら想像力の乏しい、酷い視聴者様だとは自覚しつつも、エンターテインメントからはカタルシスを味わいたいという欲求は曲げられない。カタルシスという点だと結末部分の出来も重要な影響力を持つと思うのだけれど、今回は無駄に長くなってきてるので省略する。単にエヴァQのラスト、歩いて行く3人と流れてくる宇多田さんの曲のシーンが好きなだけかもしれない。これ以上の駄文を書き続けても誰も得しないし。