3位部屋の片付け、2位漫画全巻読み、1位読書

ちゅーことで一気に3冊片付けたんで全部紹介。

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

 アマゾンであらすじ見当たらなかったんで、3行で俺がまとめよう。
砂の穴の中
逃げ出せない
打開策
このあらすじに対する文句は一切受け付けない。
本の背表紙に20数カ国語に訳されたと書かれててすこし驚いた。安部公房砂の女という組み合わせは受験知識として持っていたけど、世界中に広まってる作品だとは知らなかった。ちなみに英題は『Woman in the Dunes』で、Dunesってのは砂丘って意味だそうです。
で、中身の方から受けた印象としては主に2つかな。1つ目はタイトルにもなってる砂というもの2面性ついて。作品の舞台は最初から最後まで砂に覆われていて、ありとあらゆる状況で砂と肉体の接触が起きます。んで、その各場面における表現がお手本にしたいくらい文学的で、著者の感性の豊かさを味わえました。これと対比させるように、物語の序盤で多少のアカデミックな見識を交えて砂という存在の特異性が述べられています。こちらは肉体というより脳で砂を描写した感じなんですが、砂にある種のロマンを抱かせるのに十分過ぎる文章でした。
2つ目は『家』という空間の持つ堕落の匂いについてですが、多分これは少し前に読んだ『堕落論』に影響を受けたからな気がしてます。全体的にサスペンスなんで割と取っ付き易いし、サクサク読み進めることが出来ると思うんで未読の方はどーぞ。
風の歌を聴け

風の歌を聴け

『風の歌を聴け』のあらすじ
つーことで村上春樹を呼んでみた。んー、合わないかも…何が合わないのかは判らないし、若しかしたら凄い自分に合う作家なのかも知れないけど、今の俺にはこの文章に対して肯定的な感想を書くことが出来そうにない。とりあえずもう一冊割と長編のを読んでみてから今後の付き合いを決めていくことにする。
ナ・バ・テア

ナ・バ・テア

『ナ・バ・テア』のあらすじ
ラストは森博嗣せんせ。この人は執筆ペースが恐ろしく早いんで読んだことない本を見つけたら借りてくる感じ。これはキルドレシリーズになるんかな、一冊目の『スカイ・クロラ』と同じで戦闘機のパイロットに纏わるお話です。前作の装丁の美しさに惹かれて読みはじめたんだけど、この本もオレンジに染まった空の装丁が美しいので、単行本の方で読んだほうがいいと思う。んじゃ、中身について。
『ちきしょう!!!!!やられたorz』ってのが一番でかい。たいしたネタバレでもないけど、一応伏せておく。要はらっきょの一章と同じなんだけど、こっちは気づかなかった…この人も独特の匂いを持つ文章書くんだけど、それが俺にはかなり読んでて気持ちいいから読書ってのも難しい。『砂の女』が砂に特化した作品なら、『ナ・バ・テア』はタイトル通り空に特化してます。S&MやVシリーズはそんなに動的な作品ではないんで新鮮な気分だってのもあったかもしれませんが、読んでて自分も空でダンスしてる気分になるのが凄い。戦闘機の操作とパイロットの考えを短い1行1文で何行も続けるといったダンスシーンの描写は、単語が判らずに風景を想像できないはずなのに臨場感があるんですよね。濁ったベッドのくだりとか上手いなーと思う。
さて、試験が近づくにつれてますます俺の読書は増えそうだw