Kalafina LIVE 2010 "輝く空の静寂には" @C.C.Lemonホール

フルサイズのライブとしては6月の"Red Moon"以来のkalafinaライブ行ってきました。何だかんだでフルサイズライブは皆勤賞なのか。いい加減にFCに入ることを検討せねば…いつもチケットを融通してくれる、このはにこの場を借りて感謝。

開演前

会場のC.C.Lemonホール(旧渋谷公会堂)はAXを使う時や、代々木公園に向かう時に何度か前を通ったことはあるけれど、意識して入ったのは今回が初めて。これでもかとC.C.Lemonのでかい看板が目立ってました。開場と開演の間が30分しかなかったけれど、入り口を潜るとすぐに2Fへの階段と、ホールへの扉があって、余分なスペースを極限まで切り落とした印象。
渋谷公会堂 - Wikipedia
音響家が選ぶ優良ホール100選という内容には首を傾げざるを得ないが、その点に関しては後で。自分の座席は2Fのほぼ中央からで、JCBとの比較で言えば距離は遠いけれど、傾斜は緩やかで表情は見やすかった。座席も3時間近い公演の間、座り続けても特に問題ないレベルで、ここらは良かった点。
バンドメンバーはドラムスが真助さんで他はJCBの方と同じ。配置も何時もどおりの上手からギター、キーボ、バイオリン、ドラム、ベースとステージ袖でマニピュレーター。

本編

今回はセトリごとは無理なんで、さきにセトリを貼り付けて、良かった点、悪かった点を列挙する感じで。

1.overture~adore
2.テトテトメトメ
3.闇の唄
MC1
4.oblivious
5.君が光に変えて行く
6.傷跡
MC2
7.ARIA
8.sprinter
9.fairytale
10.seventh heav
11.red moon
MC3
12.Magia
13.love come down
14.fantasia
15.音楽
16.また風が強くなった
17.Kyrie
18.progressive
MC4
19.光の旋律
Encore
20.輝く空の静寂には
MC5
21.Lacrimosa
MC6
22.Gloria

素晴らしかったとこ

まず挙げられるのは、セトリを見るだけで明白な、ライブ全体の流れ。空の境界kalafinaを知った身としては、1章から7章まで続けて歌ってくれたのは相当嬉しかった。『ARIA』くらいまでは半信半疑だったけれど、『sprinter』のイントロギターで「当確!!」みたいなw
そして『seventh heaven』のアウトロのフレーズをやると思わせておいて、そのまま流れるように『red moon』へと移ったのは、憎らしいまでに演出が嵌っていた。まるでkalafinaというユニットの歴史をセトリで再現してる感じ。でも、観客に拍手を挟ませないなんて卑怯だw
そして、新曲を挟んでからのアッパーチューン6連続。定番の流れではあるのだけれど、出し惜しみしない感じは良かった。全体として見ればシングル曲が殆ど網羅されてるし、てんこ盛りな内容だなーという感じ。kalafinaライブ初参加の人向けというか。
前日の10日のLIVEでは空の境界パートが削られてて、その分c/w曲やアルバム収録曲が充実してたらしい。両日参加する人も楽しめて、片方だけ参加した人はもう片方を羨ましいと思って、次も参加したくなるという戦略ですね。リハの負担も増えるだろうし、この点に関しては演者の皆さんに喝采を送りたい。

次に挙げるとしたら、ビジュアル面の強化だろうか。ざっとスレを読んだ感じ賛否両論だったけれど、事前に練習と打ち合わせが十分にされてたらしき振り付けが増えていた。自分は曲のイメージ合っていて、歌の妨げにならない分には好ましいと思ってるけれど、kalafinaのビジュアルコンセプトとかをプロデュースしてるのは誰なんだろうかとふと気になった。
で、このビジュアル面で個人的に欠かせないのがHikaruの存在。『テトテトメトメ』のグルグルとか、ノリの良い動きの時のリズム感が良いというのもあるけれど、ちょっとした立ち居振る舞い、歩き方や、首の角度や手の動かし方、表情の作り方が演劇的で目に止まる。『oblivious』の「いつか 君と 二人」の部分のWakanaとKeikoの掛け合いとか凄い魅せ場だし、聴かせどころなのに、ついついHikaruのポージングを見てしまう。
kalafinaの曲のボーカル構成上、Keikoは歌いっぱなしのことが多いからいいとして、アッパーナンバーの時はWakanaが、バラードの時はHikaruがマイクを使わなくていい場面が多いと思う。当然コーラスしてる時もあるけれど、強いて挙げればの話で。ノリの良い曲はノッてれば済むけれど、バラードでも歌わずに、それでも曲にちゃんと参加するためには、あーいうスキルが必要だったのかなーとか勝手な妄想。
巷で流行ってる単語を使えばHikaru推しなのかしら。でも、次の要素も加味すると何とも断言できない。

歌声について。
Wakanaの調子が悪かったとかいう話もあるけれど、自分はそこまで変な印象は持たなかった。『君が光に変えていく』の最初のサビが少しフラットに聴こえたけれど。あと、どっか別の曲のソロでピッチ外したかも?って思ったくらい。前回気になった『fairytale』のサビもちゃんと修正されてたし、『fantasia』のコーラスもよかった。Wakanaの声は独特の響を持ってて、それがマイクに乗って耳に綺麗に届くので、とても聴き入り易い。Wakana専用帯域が用意されてるみたいな感じ。
で、前回の『RedMoon』の時にも感じたけれど、Hikaruの歌声が未だに掴みきれない。大別すれば『ARIA』のサビみたいに張り上げて、悪い言い方をすれば多少濁って汚く感じる歌い方と、『光の旋律』のAメロみたいに甘く響かせる歌い方の2種類になるのだと思う。その2つに共通するHikaruっぽさ、自分は声の色と呼んでるけれど、を認識できるようになれば、この違和感は消えるのかなぁ。もしかしたら認識できてるけれど、声の使い分けが自分の好みと合わないとこがシックリ来てないのかもしれない。Hikaruの声は今後も注意して聴いていこうと思う。
Keikoは概ね安定してるから逆にコメントを挟みづらいという……。前回聴けなかったらっきょのバラード2本を聴けたので満足です。『傷跡』のイントロ部分のコーラスとか今回が初めてだったかな?『sprinter』の「剥き出しの真実が」の部分の上げ方も凄くカッコイイし、ライブを重ねるに連れて楽曲が進化していくのは面白いね。

よろしくなかったこと

PAが全体的に良いとはいえなかった。特に開幕3曲はドラムのスネアがボーカルを喰ったり、後述する照明の問題もあってかなりヒヤヒヤした。前日はもっと酷かったとかいう話もあるし、全ての座席に最良の音を届けることは不可能だってのも分ってるけれど、音が大きすぎて割れるくらいなら、迫力に多少欠けようが下げてくれた方が嬉しい。
多くの人が同意してくれると思うけれど、Kalafinaの最大の魅力は3人の歌声とそのハーモニーにあると思う。PAを調整する場合にもグルーブ感を出すよりも、どれだけボーカルを殺さないかに重点を置くべきだと思う。そういう意味で、アカペラ曲とかアコースティックなライブをいつか聴いてみたい。FCイベントでは披露されてたりするなら、涙目で加入も辞さないです。
もう一個、これも座席の問題もあるのだろうけれど、『Adore』を筆頭に客席直撃させるドラムパターンに合わせた照明が、真正面から刺さって辛かった。寝不足で目がアレだったのもあるけれど、借りてた双眼鏡が無かったら目を瞑らざるを得なかったかも。『君が光に変えていく』とか印象的だった照明もあるけれど、光り物を禁止するくらいなのだし、もう少し照明や映像演出を洗練させてくれると助かるなー。

終わりに

ダラダラ書いたきたけれど、言いたかったことは大体書けた気がする。MCでKeikoが噛んだ時にHikaruがフォローしたのを見て、良い関係になっていってるなーと身勝手なことを思ったり。次は4月のNHKホールですかね。徐々にハコが大きくなっていってるし、近くで見たいと思ったらボチボチ思い切らないとダメかなー。タワレコ新宿もそろそろキャパ限界だろうし。まぁ、読んでくれた人、参加した人、お疲れ様でした。