NEW ALBUM "You can't catch me" リスニングパーティ

自分はキャリアーも違うし、周囲も落選祭りだったので殆ど諦めてたのだけれど、直前になって同行者枠で連れて行って頂けることになりました。本当にありがたい話です。以下アルバム内容のネタバレを含みます

開演前

会場は渋谷の109近くにあるMt.RAINIER HALLでした。M-onauといった大きい会社が絡んでるイベントだったので、スタッフの数も多くて、イベント運営慣れしてた印象。
Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE【公式】カトープレジャーグループ
入り口でクリアファイルとドリンクチケット(タダ酒)を受け取り場内へ。クリアファイルの中身は、今回のイベント用のチラシや、M-onの宣伝チラシ、そしてアルバム全曲の歌詞と演者がプリントされたB5のコピー本。この本は帰りに回収されてしまったので、面白いお土産はそんなに無かったかな。
元々は映画館だったそうで、ステージ上には大きなスクリーンが1枚。1Fの最前列はステージ近すぎるので封鎖されてて、B列から後ろが一般客席でした。2Fが関係者席だったけど、覚えのあるお顔は見つけられなかった。自分達は舞台下手の前方に席を取りました。客層は10台後半から30代前半くらいまでの男女半分ずつか、女性のが多かったかもしれない。

今回のイベントコンセプトが、坂本真綾の新しいアルバム"YCCM"を試聴してもらいながら、参加者にリアルタイムで携帯サイトにレビューを投稿してもらうというものだったので、イベント最中も携帯の電源はonでよく、場内の明かりも確保されてました。それを良いことにtwitterの方に適当に感想を投下しながらイベントを見ていたので、興味ある人はこっちもどうぞ。やたら逆毛生やしてますが、スルーして戴ければ…
坂本真綾 NEW ALBUM“You can’t catch me”リスニングパーティー - Togetter

前半

最初に司会の人が登場し軽くイベント趣旨説明をして、短い『うたとも』の説明VTRを上映。そっからまずはアルバム前半の6曲が連続して流れました。元・映画館で座席がスピーカーと近く、重低音が強めだったので、実際にCDで聴くとまた違った印象を受けるだろうけれど、覚えてるのに限りちょこちょこ感想を。

『eternal return』:跳ねるような、転がるようなピアノが印象的。アルバム通して最も"YCCM"ってタイトルとの親和性が高く思えた。ライブでも冒頭に来る可能性大
『秘密』:つべでPV付きフルコーラスが公開されてるアルバムのリードナンバー。これも疾走感あり。歌詞カード見る限り「ああ」の部分は歌詞に無いみたい。
『DT』:少しテンポ落ちるもまだまだ明るい。かぜよみのトライアングラーに比べればアルバムに溶け込んでる気がする。
『美しい人』:一気に雰囲気が変わる。既にリリースされてて、タイアップもある『DT』の直後に置いたのは上手いかも。
『キミノセイ』:頭サビの爽やかなナンバー。スネアの音色とストリングスが結構合う。ラスサビ前のボーカル浮かせが綺麗。
『ゼロとイチ』:曲の最後の方で、割と珍しい雰囲気の真綾の低音コーラスが記憶に残ってる。まったり

ここで前半終了。6曲中3曲は既にフルコーラスで知っていたので、割と頷きながら聴いていた。司会のお姉さんが再び登壇して軽くまとめたように、アルバム冒頭のアップテンポからミドル、スローへと段々とまったりしていくのが、前半6曲を通しての流れ。
5分間の休憩タイムを挟んで後半開始。

『みずうみ』:イントロが『秘密』程ではないにしろサビとは違った趣。歌詞を歌い終わってからのアウトロの、コーラス多重録音がとても面白いけれど、ライブでどーすんだあれ。
『Stand up,Girls!』:割と試聴どおりの展開、前2曲が相当にまったりだし、1曲で空気を変えられるのは配置の妙かも。ライブだと客が歌うんだろうなってパートがあった。女性諸君頑張れ
『ミライ地図』:流れを引き継いでのミディアムテンポ。BPMは早いのかもしれないけれど、余りそれを感じさせないメロディラインと歌い方。音に対する詩の当てかたに、作詞が真綾じゃないのが伝わってくる気がした。
『ムーンライト』:再びスローテンポバラード。試聴音源だとサビにコーラスかかってるけれど、1コーラス目とかは割とシンプルに歌声聴ける。
『手紙』:想像してたより短めで、歌詞も少ないせいでアルバムの最後に位置する小曲みたいな雰囲気。歌いだしの真綾の歌い方がいつになく可愛らしくて、サビ?後の神秘的なコーラスワークとは対照的。
『トピア』:やっぱりまったり。歌詞冒頭に東京タワーを持ってくる辺り真綾らしいなと今年のFCイベントを思い出しつつ。『十九色』の作曲者なので、もーちょい強いメロディを期待してしまった。

後半もミディアムからスロー寄りなナンバーが多め。つまり、アルバム全体を通して”まったり”してる。これは"YCCM"ってタイトルが想起させる印象とはちょっと異なってるように思えた。1つ1つの楽曲は高い質で纏まってるし、通しで聴いて違和感を覚えることもないだろうけれど、良くも悪くもラスト付近は眠くなるかも。凄く失礼な印象論を振りかざすのなら、『夕凪LOOP』ではなくて、尺の長い『30 minutes night flight』
試聴音源とフルサイズとのギャップで言うと、試聴だとちょっとコーラス頑張りすぎてるなと感じた曲も、主旋律のみの歌声を味わえる部分がきっちり存在してて好印象。1曲の中からどの45秒を抜き出すかってのは意外に難しいのかもしれない。

後半

舞台下手に椅子が2つセットされて真綾の登場。衣装は『雨が降る』のジャケットに少し雰囲気の近い赤のドレスに、インナーも赤系統、黒のエナメルっぽいヒール。司会の人も真綾も椅子に浅く腰掛けてて姿勢が良かった。椅子ごと倒れたりしないかと不安になる程。
まずはリスニングパーティやアルバムについて軽く触れた後で、参加者が試聴中に投稿した感想を前方のスクリーンに投影して、その曲についてのエピソード追加したり。インタビュー内容は覚えてるところを箇条書き。言い回しは勝手に変えてるし、一部意訳してます。悪しからず

  • アルバムの製作開始は09年の末で、製作期間が長く、漸く完成したという思いがある。
  • 『DT』のPVでよく笑ってるのは、ピクリとも笑わなかった『さいごの果実』からすれば進歩
  • 『美しい人』。大学の時に中国語をかじったけれど、やっぱり発音が難しい。坂本真綾が美しいと思う人は、潔く、毅然とした、決断の早い人。仕事に関しては締め切り等あるのである程度割り切れるが、お昼のお弁当を何にするかとかでは最後まで悩む優柔不断ぷりなので、ある種の憧れもあるのかも。
  • 『秘密』は作詞が難産で完成が一番遅く、レコーディングの前日に徹夜で仕上げた。今までの作詞では使ってこなかった単語があったりするが、適わない夢や、どうにもならない現実、知られたくない秘密、等々、当たり前にみんなにあるものだけれど、あえて歌詞にするのは避けてきたものを、エンターテインメントとして仕上げられるかが、アルバムを通しての1つのテーマだった。
  • 作曲だけでなく作詞も依頼した男性アーティストについて、自分には無い節回しや、男性じゃないと書けない幻想混じりの女性像が面白かった。
  • 来年のライブツアーは今までになく多くの会場を長期間かけて回るので、ツアーを通して育てていければいいと思う。
  • ラストの中野サンプラザ2days、30日が30歳最後の日で、31日が31歳最初の日というのは意図したもの。

そして、坂本真綾から参加者へのクリスマスプレゼントとして、生歌の披露という自分は全く想定してなかった展開。らっきょ初日の舞台挨拶とかもそうだし、どうも想像力に乏しいようだ。
楽器のセットをしてる間に場繋ぎ的に追加インタビュー。クリスマスのご予定は?との質問に、父が誕生日だからそれのお祝いですと優等生回答。まだ誕生日プレゼントを買ってなくて、お酒が大好きだったけれど痛風を患ってしまったので、他の何にしようか悩んでいるとのこと。肩たたき券とか口走ってた気がする。

演者は上手から、アコースティックギターとハーモニカの北川さん、パーカッションの杉本清隆さん、キーボードで末永華子さんのお三方。ここらの予算の潤沢な感じが大企業の絡むイベント。
1曲目の『優しさに包まれたなら』PAの関係でボーカルが埋もれ気味だった。どんなイベントやライブでもそうだけれど1曲目は仕方がないね…
メンバー紹介を挟んで、最後の曲はクリスマスっぽく無いですがと断り入れての『指輪』は、武道館やタナソニではメドレーの一環だったので、フルサイズではちょっと久し振り。ボーカルも綺麗に前に出てきたけれど、ラストを「明日咲く未来を生きる」で直ぐ終わらせずに、フェイクっぽいアウトロのコーラスと楽器の演奏が続いたのが面白かった。
歌い終わったら軽く会釈して真綾は舞台袖に撤収。イベントも程なくお開きとなりました。

終わりに

人によっては発売日まで音源を一切聴かずに、新しいアルバムにまっさらな気持ちで向き合うそうですが、自分にはそんな自制心が無いので、クロスフェードとか聴いて何周もしてました。ついにはフルコーラスで全曲を聴く機会に恵まれてしまったわけですが、今はそれなりに発売日を心待ちにしてる状況です。
『You can't catch me』は良盤になるとか、神盤だとか言うつもりはありません。各自の耳で聴いて、各自が心の中で判断すればいいことですし。同行者枠を譲ってくれたMさん、ありがとうございました。最後まで読んだ人はお疲れ様でした。