LIVE TOUR 2011 "You can't catch me" @中野サンプラザ

2daysとも参加してきました。素晴らしいライブでした。でも、レポートを書こうという熱意が生まれずに、長いこと放置してきました。けれど、書き残すことに何らかの意味があると思うので、体裁をなした文章にはならないことを覚悟で続けたいと思います。ただ、両日の違いを書くことは少ないので、参加できなかった日の様子を知りたいという人のニーズは満たせないと思います。悪しからず
とりあえず前半はいつも通りの内容で。

いつもの

今回の会場の中野サンプラザも初利用。小学生の頃に四谷大塚に通ってたので、中野には週1でテストを受けに来てたけれど北口は利用しなかったし、ブロードウェイに行ったことも1度しかなかった。それなりにアクセスの良い駅から徒歩2分の立地は、JCBホールに勝るとも劣らないレベル。
ちょっと古めかしい匂いだけれど、落ち着いた雰囲気のホール。キャパが2,200程度ということもあり、物販や入場列もスムーズな進行だった。自分は30日は2F席の中央前列、31日は1F席の下手寄り中央から見てた。音響は両日とも好みに近く、3曲目くらいでPAの調整も済み、ノイズに煩わされることも無かった。31日は北川さんのアコギの音を鮮明に聴き取れたのが印象に残ってる。

本編

全曲コメントとか無理なので、セトリ書きつつ挟めるところだけ。
【0.オープニング】

バンドメンバーと一緒に現れて、今回のライブの開催経緯について軽く。

【1.eternal return】
【2.秘密】

サビの最初、『誰も』の歌い方にビックリする。歌なのか台詞なのか悲鳴なのか、自分じゃよく分からなかったけれど、刺さった。

【3.キミドリ】

Cメロのコーラス部分はしっかり担当を決めて分担してたのを確認。書き忘れてたけれど、31日は@egoaluからオペラグラスを借して貰っていて、頻繁に覗きこんでいた。やっぱり視覚は強い、ズルイ。

MC1

キミドリはこまどりだったという話。こういう作詞に関する逸話みたいなのは、曲への愛着が増すので嬉しい。

【4.美しい人】

頭サビ等の『あの場所へ』の長音部分で、音の開放感に合わせて、線に収束してた紫の光が、フロア全体を照らすように、或いはフロア全体に満ちるように拡散していく演出が素晴らしかった。

【5.みずうみ】
【6.アルカロイド

0331medleyに入ってたので、ここで来たのはちょっと意外。イントロの『だーらら』ってコーラスを歌ってくれたのが地味に嬉しかった。自分はCDでコーラスの存在に気づくまで時間かかったし。あと、最後の『彼に会いに行くの 彼を求めてるの 彼を愛してるの』の所の北川さんの音遊びが面白かった。心の中で右手を突き上げる程度の菅野クラスタ

MC2

中野トーク。高校は中野区だったらしい。15歳くらいで加山雄三のライブに参加したのが初中野サンプラザだった。

【7.スピカ】

地震を経ると歌詞から受ける印象がこうも変わるものか。例のサビ前は毎回ちゃんとコントロールされてた。ビブラートは会得したのね。

【8.手紙】

厚木の時もフィードバックしてないから、終盤のコーラスが変わらないのは当たり前だけれどやっぱり物足りない。1回目は歌の流れで最初の部分は歌ってるだけ、余計に残りの部分が耳寂しい。

【9.キミノセイ】
【10.ねこといぬ -instrumental-】
【11.remedy】

被災者ではなく自分を治癒してると感じた。或いは鼓舞か。

MC3
【12.悲しくてやりきれない】
【13.ムーンライト(または“きみが眠るための音楽”)】

回を追うごとに理想に近づいてる気がする。成長してるな!

【14.ユニバース】

かぜよみツアーファイナル以来のこれもピアノソロ。あの時はサプライズもあって涙混じりだったけれど、今回は余裕たっぷり。『まっすぐ』の所の発声が文字通りまっすぐで好き。

MC4

『ユニバース』の窓明かりから節電トーク。高級ダシは湯気がよく出る、これ豆な

【15.風待ちジェット】

この曲へのMCの流れはちょっと好きじゃなかった。ポジティブな感情の伝播は凄く賛同するけれども。曲終わりにバンド紹介

【16.Private Sky】
【17.Get No Satisfaction】
【18.マジックナンバー
【19.光あれ】

厚木の時とは違う印象を持った。慟哭

MC5

真綾にとって東京という町はふるさとであり、そこに生まれ育ったものとしての意識が強いというのを改めて感じた。売りスレか何かでプライドという単語を使って形容してる人がいたけれど、まさにその表現がピッタリだ。

【20.トピア】

MC6

日常を守り続けるという立場を選んだ理由のひとつに関して。

【21.ボクらの歴史】

セトリから外すことも考えたという。でも、北川さんが今だからこそ歌うべきなんじゃないかと提案してくれたらしい。自分には別の意味で辛い歌詞。歌詞間違いの量は31日>>30日
31日は曲終わりに、ピアノの扇谷さんのイントロを合図にサプライズ気味でハッピーバースデーの合唱。

【22.everywhere】

30日は15周年イヤーだったこの1年を振り返るMCで言葉に詰まって、声が揺らいでた。この曲も初披露から1年って言ってたけれど、プレミアムイベント無かったことになってるよね… サビ頭のコーラスさんはもーちょい頑張って欲しい。正直、PAに任せちゃってもいいくらい。

【23.ポケットを空にして】

リアルタイムに事柄について、ここまで弱い部分を見せたのって珍しいかも知れない。名古屋での歌声に、それだけ救われたし、勇気付けられたのだろう。

感想

3月11日を経て、YCCMツアーは変わったのは間違いない。それは機材や演出、セトリやMCだけでなく、本人のツアーへの向き合い方も含めての話。このブログの厚木会場レポで、YCCMツアーの意味については最後まで取っておくと書いたけれど、今後の追加公演を経ても、改めてこのテーマについて文量を割いて書くことは出来ないと思うので、それに関して少しだけここに纏めておく。

ノーサプライズ

本人がラジオ等で言及してたように、YCCMツアーはノーサプライズが1つのテーマだった。それは会場ごとにセットやセトリを変えたりしないでも、1回1回を特別なステージとして楽しんで貰いたいという願望でもあり目標でもあったらしい。レミゼの舞台に7年間立って、どの回でも同じ台詞、同じ歌、同じ衣装だけれども、全てが違う舞台だったという経験も、反復される芸術に対しての考えに影響を与えたそうな。

でも、エンターテインメントとして、何度やってもいいものはいいはずだという思いもあって。
引用元:YCCMツアーパンフ内の本人インタビュー

厚木のMCでこれらの内容に関して触れなかったのはある意味で当然なことで、特別じゃないことをやりたいとステージ上で言う事は、そのものが特別なことになってしまう。”坂本真綾スゲー”と思った1つの理由はここにある。まぁ、ライブ直後の徹夜明けでハイになってた時の感想だし、多分に妄想を含むけれども。
このインタビューを読んだ時は、実を言うとそれなりに気恥ずかしい思いをした。なぜなら、会場ごとに違うセトリや演出を予想して、仙台公演を確保したり中野331のチケットを手に入れるのに奔走した、自分の浅ましさを見透かされたような気分になったから。3年ほど前からライブに行って音楽を楽しむという趣味を身に付けたけれど、同じツアーに複数回参加した事があるのは真綾だけなので、今回のことは色々と考える切っ掛けになりそう。

You can't catch me

上述のパンフレットはちょっと珍しい形をしていて、一辺が30cmくらいの正方形で40ページ弱の冊子になっている。内容は、3ページくらいの本人インタビュー(量は多くないけれど、内容が個人的にツボ)と、20ページ近いアルバムYCCMの収録曲の歌詞とビジュアルにクレジット、5ページに及ぶアルバム製作日記、その他ちょっとした情報に、バンドメンバー紹介とライブスタッフのクレジットである。正直に言うと、ライブ前に物販でパンフを買った時には、収納しづらい形だし、既出の情報(YCCMの歌詞やヴィジュアル)が多くて、イマイチだなーと思ってしまった。
が、帰りの電車でパンフの内容をちゃんと読んで評価を掌返しした。このパンフレットが正方形のデザインで、歌詞まで含んでることにはちゃんと意味があって、"You can't catch me"ライブをCDに見立てた時、パンフレットはジャケットの役割になっているんだと気付いた。パンフ内のインタビューで語ってるように、YCCMにはライブを意識して作られた曲が幾つも収録され、製作時からレコ発ツアーが念頭におかれていた。そして、ライブで聴くことによって、CDの味わい方や曲の意味の捉え方が変わるような、そんなライブをすることが理想だと書いている。

CDで鳴っている音の再現率も大事なんですけど、やっぱりその日にしか出せない音や声があると思うので、その記憶がまたCDを聴く時に違った音に感じるかもしれない。
引用元:YCCMツアーパンフ内の本人インタビュー

CDとライブが相互に影響を与えることでより深くYCCMの世界を味わってもらえるのでは、という先方の姿勢を見てると、厚木感想の自分の駄文を消したくなるのだけれど、反省も兼ねて残しておく。YCCMというアルバムはツアーが最後まで終了した時に、やっと完成するものなのかもしれない。

概ねこの2点が、厚木公演を見て、帰りの車内でパンフも読んだ時点での、自分のYCCMツアーに関する総体的な感想。そんなわけで、CDのYCCMを気に入った人には是非ライブにも参加してもらいたい。これを書いてる段階で、延期になった仙台と札幌、そして国際フォーラムの公演は6月の開催日時が告知され、払い戻し等の対応が取られてる。なので、まだチケットの入手機会はあるはず。
同じ内容のをライブを続けてても、常に今回が今までで一番良いライブだったと思ってもらえるライブにしたいし、それには自身が成長を続ける必要があって、自分にはまだその余地があるはずだ、と自分にプレッシャーをかけながらも言葉にする真綾を、その目と耳で確かめてみないかい?

終わり

少しだけとか前置きしながら、書き過ぎた気もする。最後に震災後と中野について。正直、この括り方をしてしまうのが嫌で、怖くて、感想を書くのを棚上げしてた。本人の姿勢に関してはこの2つを張ればそれで済む話で、それに対する自分の感想は聡明な人なんだろなってのに尽きる。
坂本真綾から皆さんへ
私の考える、支援のかたち
他人に読ませる文章として、自分の考えをまとめられる状態にないので、このエントリーではこれ以上書かないことにした。twitterで140字以内で吐き捨てるくらいが似合いの内容だ。終わり。