世界遺産劇場「富岡製糸場」

公式でレポートも出たし、写真入りのFC会報も届いてるんで、旬はとっくに過ぎてるけれど、富岡まで行ったわけだし、軽くメモっぽいレポを残しておこう。例によって前後のあれやこれやは控え目で。

いつもの

会場の富岡製糸場は当然初利用というか、そもそもコンサートをやる場所ではないので、あんまりアクセスやら音響やらを書いても意味が無い。リハ音が漏れまくりで、聴かないように頑張ったりするのは去年の武道館を思い出して懐かしかった。それでも、ラスト3曲くらいは事前に知ってしまった。
自分の座席は下手前方。横に広い会場だと分かっていたので心配してたけれど、それなりにご尊顔を拝することが出来たので良しとする。天気が天気だったので視界を確保できたのはラッキーだったかもしれない。ここらは後述。照明はバリエーション少ないながらも良い味を出してた。特にビニールテントモードに入ってからは、濡れたセロファンみたいに乱反射してて、転んでもタダでは起きない坂本真綾
この日も双眼鏡を持っていってたので、ある程度照明演出は犠牲にして本人の表情を追っていた。どっちも同時に楽しめる席となると中央前列とかになるけれど、そこはそこで音がベストポジからズレているから結局何かは犠牲になるのだよね。その席なりの楽しみ方を追求できるようになると大人なのかなーと思うけれど実践するのは難しい。
バンドメンバーはアコースティック構成のキューカンバーズ。今年はFCイベントが無さそうなので、そこらへんも兼ねての流れだったのかも。舞台上手からギターの嘉多山さん、チェロの笠原さん、パーカスの中北さん、キーボードの宇戸さんの並び。角度的に中北さんが殆ど見えなかったので、そのせいもあってか全体的に音も控えめだった印象があるのが面白い所。全体としてはバランスが良い音だったと思う。どの楽器も聴きやすかったし、真綾の声も真っ直ぐ届いてきた。

本編

強風が吹きすさぶ中で、予定通りの時間にスタート。キューカンバーズが着席してマイクがonになった時点で、強風をマイクが拾いゴウゴウとノイズが乗りまくって、MCの最中に真綾が爆笑するくらい大きい音だった。衣装は既に色々なサイトで写真付きのレポが出てるように、ワインレッドのワンピースで、マニキュアもそれと色を合わせていたかも。強風で服や風がたなびいたりして、少し目のやり場に困るような場面も。強風に加えて雨も降り出してしまいテント設営のために一時中断になるなど、これこそ野外コンサートといったものになった。
今回は先にセトリを貼り付けてみる。

1.プラチナ
2.やさしさに包まれたなら
3.走る
4.風が吹く日
5.月と走りながら
6.SONIC BOOM
< 中断 >
7.奇跡の海
8.雨が降る
9.カザミドリ
10.僕たちが恋をする理由
11.stand up, girls!
12.Get No Satisfaction!
13.マジックナンバー
14.everywhere
アンコール
15.おかえりなさい
16.ポケットを空にして

という全16曲。MCでも言ってたように野外ならではの空や風や月や星や雨を感じるナンバーで、かつアコースティック編成に相応しい曲がチョイスされていた。途中で20分の中断があったけれども、その分だけ多分MCをカットして(世界遺産に関するMCみたいなのが殆ど無かったので)予定通りの曲数をこなした模様。全体としてみればかぜよみツアーの東京公演に割と近いかも。2分割して軽く本編の感想も。

前半と中断部分
  • ライブの頭がプラチナってちょっと珍しいなーと思った。代名詞的な曲だけれども。次の『やさしさ』も合わせて、ちょっとした自己紹介というか、ライト層を軟着陸させる感じ。
  • 『走る』のイントロをチェロでオクターブ下で弾くと静かな印象を受ける。PVのイメージにはこっちのが合うのだけれど。愚民の(ry
  • この日の全セトリの中で一番感動したのが『風が吹く日』だった。かぜよみツアーで個人的に色々と考えさせられた曲で、あの時のモヤモヤが払拭されたと感じたのが大きいかも。去年の夏休みに旅行した利尻で、登山の最中に山の中腹で見た景色が、この曲の心象風景として出来上がったのだけれど、音に関しては富岡のこれがずっと記憶に残りそう。CDは15年近く古い音源なので違うのは当然なのだけれど、Cメロからラスサビにかけてのビブラートの掛け方とか感情の篭め方が凄かった。某ブログの人も絶賛してて、その人がミュージカル表現と言ってたのが腑に落ちた。
  • 『月と走りながら』は歌詞の内容がピッタリなので予想はしてたけれど、2005のFCイベント以来だったので新曲を聴くみたいな気分だった。真綾の歌の中で1,2を争うくらいの低音もポイントだけれど、サビの入りの「さーい」がやたらスンナリ耳に入ってくるなと思ったら、CDの多重コーラスに慣れてたからだと後で気づいた。
  • 『SONIC BOOM』はCDに比べてテンポが速いなーと思ったけど、歌詞が大崩壊したのはそれも原因の一端かね。ライブでの歌詞間違えは定番になってしまったけれど、本人はそこの点をどう捉えているんだろう。武道館みたいに動き回る時はモニターでのカンペとか無理だろうけれど、今回みたいな定点ライブだったら可能だと思うけれどな。
  • 天気予報通りに雨が降り始め、風に煽られてステージ上の機材にまで降り注いだので、急遽ステージ上にテントを設置することに。お客さんに配られた合羽が大活躍するわけだけれど、そこら辺の指示を真綾がしてたというエピソードをどっかで見て少し感心した。当初はMCで繋いでる間にテント設置のはずだったけれど、余りに雨脚が強まったせいで真綾は1回引っ込む。近くに友人が居たので喋ったり足踏みしたりして何とかもったけれど、一人で参加して座ってたら風邪引いてたかもしれない。結局20分間くらい中断してたんじゃないだろうか。スタッフ総出でビニールテントを張って、重石を乗せたりと頑張って作業してた。野外イベントを企画するというのがどれだけリスキーなのかを、1参加者の立場ながらに痛感できたというのはいい経験だったと思う。
後半とアンコール
  • 現状にぴったりな曲ということで『奇跡の海』で再開。中断で冷えてしまった喉や会場を暖めてやるといった気合に満ちているように見えた。そして続く『雨が降る』のイントロで笑いに包まれる場内。別に状況に合わせてセトリを弄ったわけでもないだろうに、あまりにも出来すぎた並びだったw 好きなシングルなのだけれどかぜよみツアー以来長いこと聴けてなかったので嬉しかった。Bメロの高音は綺麗だったし、サビは迫力あったしで、どちらかと言えばアコースティック構成のが好きかもしれない。
  • 『カザミドリ』と『僕恋』は歌ってる回数も多いし、そもそもが最近の曲なのでド安定。分厚い雲のせいで星空が見えなかったのだけが残念だけれど、虫の鳴き声を聴きながら音楽も聴くという体験は新鮮だった。
  • 坂本真綾の楽器遍歴に新しく鉄琴が加わった『sug』。タイトルの割にあんまりみんな立たなかったw そして発表以来ライブ皆勤賞じゃないかと思いたくなる『GNS』ではみんな立ちあがり、そのまま『マジックナンバー』へとアッパーな流れが続く。『open air museum』って副題だし終始しっとりとやるつもりだったらしいけれど、思いがけない暴風雨やら中断があったせいで、何となく盛り上がってしまったらしい。
  • 最後の方はリハでセトリバレしてた。『everywhere』はちょっとお疲れに聴こえた。『おかえりなさい』は既にラジオで聴いてて、ゆーみん作曲に納得の昭和テイストの残した穏やかな楽曲という印象だったのだけれど、ライブで聴いたことによって凄く評価がアップした。久々の低音域を堪能できるAメロもいいのだけれど、真綾の歌声の気持ちいい所が集中しているサビが素晴らしい。

とまぁ、大体はこんな感じでした。来月の5日には一部の模様がテレビでOAされるそうで、2,3曲はフル尺で聴けるんじゃないかと期待してます。六本木以来の野外ライブだったけれど、開放的な空間と『風』を感じることが多い真綾の曲は相性良いので、定期的にやって欲しいですね。参加した人も読んだ人も、皆さんお疲れ様でした。