清浦夏実 秋めきトゥナイト@下北沢mona records

8月に渋谷であったライブは東京から離れてて行けなかったので、去年の厨子海岸以来の清浦さんのライブ参加でした。本人の中でライブや創作に対する熱が高まってきているようなので、とても嬉しい限り。以下、軽く感想を書きます。

いつもの

下北沢と言えば清浦さんの1stワンマンがあった街で、遊びに来たのもそれ以来。若者が多くて雑然とした町という印象なのだけれど、今回のmona recordsもそんな下北沢っぽい空間でした。駅から徒歩2分くらいの雑居ビルの3Fが会場で、細くて狭い3Fまでの階段が待機列になってて、開場直前はちょっとしたドミノ状態。
mona records 下北沢のライヴスペース&おんがく食堂。日本の良質インディーズCDもいっぱい。
内部は縦に細長い空間で、前方に3列ほど椅子席でそっから後ろはオルスタのキャパ100くらい。ステージ上も客席と同じくらい密集していて、下手手前にキーボ、奥がベースとパーカス、中央手前がボーカルで奥にドラム、上手手前にアコギ、ペット、奥にギターという最大で8人がステージ上に居る構成でした。
自分はお陰様で割と前方から見れたのだけれど、至近距離のスピーカーから直で爆音を浴びるという経験が久しぶりで、最初のうちはスネアやシンバルがちょっと辛かったです。どんな開場でもライブの序盤は尖った音が多くて、段々とマイルドになっていく気がするんだけれど、あれは単に耳がバカになっていってるだけなのかな。詳しい人に一度伺ってみたいです。

本編

8月の渋谷は清浦さんが先で、ラウンドが後半だったらしいのだけれど今回はそれの逆。交互にメインを担当していくのかな。ラウンドはオリジナルの曲を1つもやらないで色んなアーティストの曲をカバーしてました。北川さんのtwitterを偶に見ると、色々なアーティストの曲について感想を呟いてたりするんで、彼の好きな曲が多かったのかも。1つも知ってる曲が無かったけれど、安全地帯の『じれったい』が凄まじくカッコよかった。
北川さんの歌声をちゃんと聴いたのもこの日が初めてだったけれど、喋ってる時のちょっと鼻にかかった感じが割とそのまま歌声になってて、狭いステージにもかかわらず周囲の機材を巻き込みながら跳ねて揺れて文字通り弾き倒したり、40歳の誕生日のサプライズケーキもあったり、セトリ前半で『じれったい』2連発があったりと、楽しんでらっしゃいました。
他に印象に残ってるバンドメンバーさんは、職人気質な気難しい顔つきで、全身でリズムを刻んでたドラムの宮田さんと、それとは好対照に終始ニコニコしてたベースの高井さん。トランペットの佐々木さんも凄く見やすい位置で、シェイカーにコーラスにペットにと忙しくしてるイケメンさんでした。金管が一本あるとアクセント付けられて楽しいし、主旋律担当しても割と曲の雰囲気を維持できるんですね。思いっきりリバーブかけて、2拍前の自分の音に重ねたりしてるのも面白かった。ラウンドのオリジナル曲も聴いてみたいんで12月のライブも是非参加したい。

10分ほどの休憩を挟んで本日メインアクトの清浦さん。明るい茶色のショートヘアで、相変わらずの小顔の別嬪さんでした。togetterから貰ってきたセトリを先に貼り付けます。
清浦夏実 秋めきトゥナイト - Togetter

01.すぐそこにみえるもの
02.旅の途中
03.虹色ポケット
04.夏の記憶
05.ホログラム(新曲)
06.お弁当を食べながら
07.七色
08.月の裏側(新曲)
09.Midnight Love Call
10.僕らの合言葉
11.アノネデモネ

en.風さがし

思いつくままに箇条書きで感想を。

  • 初めて生歌を聴いた時以来の『すぐそこにみえるもの』は末永さんのピアノだけをバックにじっくり歌声を味わえて良かった。身勝手言うと最小構成のが望ましいのだよね。最初の数曲はあんまり清浦さんの声のマイク乗りが良くなかったというか、PAの関係かボーカルの艶があんまり味わえなかった。
  • 『旅の途中』は特徴的なイントロのメロディラインがペット担当だったんだけれど、ピッチが怪しくてちょっとズッコケそうになった。音色的には合ってたんで『じれったい』くらいの精度が欲しかったかなー。
  • 『虹色ポケット』のイントロは清浦さんのフルートとペットの二重奏。殆どフルート聴こえなかったけれどw その代わり、ラスサビ前のソロで聴かせるパートがカッコよかったんでオッケー。『夏の記憶』の疾走感はこのバンド構成ならでは。間奏とかで楽しそうに踊ってる清浦さんの笑顔が魅力的でございました。ちょっとモコモコした素材のブーツが、あっちこっちに跳ね回ってた。
  • MCは『十九色』以降にちょっと音楽活動に関して迷いがあって止まってたことや、それでもやっぱり歌を歌うことが自分のやりたいことだとか、震災のこととか、新曲のこととか、多岐に渡ってた。立て板に水ってわけでもないけれど、等身大な清浦さんが見えた気がして良かったです。
  • そんな流れで新曲の『ホログラム』。アニメのEDは聴いてたけれど、初めてのフルサイズ。最初にテレビで聴いた時に、頭Aメロの「机の上で生まれた世界」の「マレ」「イ」の音が清浦さんらしくて素敵だなと思ったのだけれど、ライブでもその部分がきっちり味わえて嬉しかった。音が伸びてくサビと同じで、前向きで伸びやかな曲だと感じました。1ヵ月後が楽しみ
  • 再びピアノソロで『お弁当を食べながら』。清浦さんの表情が歌詞にもあるような慈しみに溢れていて、声も凄く綺麗に耳に届いてこの日のマイベスト。清浦さんのファルセット(もう覚えた)が味わえる数少ない曲なのかも。ピッチコントロールもかなり良いし、ガンガン使ってみるのも面白そうだけれど、地声とはかなり色が違うので簡単ではないのかも。
  • イントロが始まってからこの曲なんだろうと暫く悩んでしまった『七色』。CDで慣れ親しんだのとキーの高さが違ったせいだった。他人の曲をカバーするならキー変化も当然だけれど、1年ちょい前に書き下ろされた自分の曲で、キーを変えるってのがあまり経験無いや。より気持ちよく歌えるように上げたんだろうかね。
  • 同じく初披露だった『ホログラム』のc/wの『月の裏側(表記不明)』。こっちは完全に初聴きだったのだけれど、清浦さん自身の作詞で今までに無い曲に仕上がっていた。AメロとBメロが静かで、サビで一気に爆発して感情を吐露する感じ。思い出したのはCocco『カウントダウン』かな。表情に共通する要素があるのかも。鬼気迫るとまで言うと大げさだけれど、澄ますでも、微笑むでも、破顔するでもなく、溜まったものを吐き出す感じ。歌うとスッキリすると言ってたのも納得。
  • 清浦さんもカバーを歌うと聴いて、他のアーティストの曲かと思いきや、『じれったい』かと思いきや、『Midnight Love Call』。音数を絞ってアコースティックかつジャジーな雰囲気が素晴らしい。どっかの誰かと正反対の雨女ぶりをアピールしてたけれど、12月18日の天気はどうなるんだろう。
  • ちょっとテンポがゆっくりだった気がする『僕らの合言葉』。マイクスタンドと小芝居する清浦さんが可愛い『アノネデモネ』は、原曲の打ち込み色が薄れてて、こっちのアレンジのが好みだった。最後はお客さんも歌ってくださいの『風さがし』。ちゃんと感想を探してないけれど、8月のライブでも多分やったんだろうな。

という全12曲のライブでした。終了後は物販が開かれ、みんながサイン入りCDを入手してるのを、心の中で指を咥えてみてました。ちゃんとしたライブとしては去年4月以来だったし、あの時は殆ど見えないわ、歌声は聴き取りづらいわで割と散々だったことを考えると、かなり満足行くレベルで清浦夏実を味わえたと思います。清浦さんに関しても歌声を何よりも重要視してるんで、いつの日か完全にアコースティック編成でのライブも見てみたいかな。
次回は12月18日に三度Round Tableと合同でやるそうなんですけれど、featuring KIYOとかいう言葉を口走ってたので、若しかしたらという期待を込めて、真綾のライブの千秋楽よりもこっちを優先してみたいと思ってます。とはいえ、どちらの公演もチケット取れるかは怪しいもんですけれど。参加した人、読んだ人、お疲れ様でした。