IDS! EVENT 2012 "winter songs"@Zepp Tokyo

3週間前の名古屋に続いて坂本真綾のFCイベント最終日の東京公演1回目に参加したので、とても軽くメモ兼レポ。偶には書きたいことだけ書こうかね。普通のレポが読みたい人は、名古屋の方を読んでください。(4000+500)
もう1つのエントリーで書く予定の清浦夏実のライブが同じ日になったので、3回目から1回目に変更しての参加だった。座席は一桁列の下手端で、角度的にバンドメンバーがやや観づらかったので専ら真綾を見てた。1日3公演でトータル4,50曲歌う必要があるため、セーブしながらだったかも知れないが、名古屋とコンディションに大差は無いように感じたし、歌詞間違えにも気づかなかった。『melt〜』とかは振りに紛れてカンペを見てたけれど、舞台女優として最低限のさり気なさは保ってた。
セトリは名古屋と一緒で、日替わり曲は『風待ちジェット』だった。日頃は振りを揶揄することが多い曲なのだけれど、この日は曲のテンポがかなり早くなっていて割と楽しめた。「わけもないのにロンリー(ロンリー)」のコーラスが担当する部分をピアノが奏でるのも好ましかった。『たとえば〜』以外では曲中のクラップが無かったし、アンコールのポケ空も全員座ってた。大人しいというかFCイベントの雰囲気に慣れている人が多かった。

名古屋のMCでは、YCCM中断明けで名古屋公演に臨んだ時の話が多かったのだけれど、東京では今回の長丁場だったFCイベントツアーの振り返りみたいな話が多かった。個人的に印象に残ってるのが『誓い』前のMCなので、そこから少しだけ膨らましてみる。
itsのパンフレットなどで語られてるように、大震災で仕事が全部キャンセルになり、自宅に居るしかなかった時期に『誓い』は作られた。自分の仕事がどういう種類の物なのかを自覚したり、それを踏まえてどういう行動に出るのが良いことなのかを悩みに悩んでる中で、産み出した答えの1つが作曲をすることだったらしい。
けれど、今回はそっちの話は置いておく。個人的に印象深かったのは、ツアーを再開するか中止するかを判断する際に、自分の行動をファンはどのように捉えるかを意識した、と坂本真綾が口にしたことだ。
名古屋公演の開催決定と同時に坂本真綾が発表した文章がある。こんなブログをわざわざ読んでる人はきっと覚えているだろう。あの文章が発表された時、あるフォロワーが憤っていた。ファンがアーティストをそんなことを言わせるのは褒められることではない、というのがその人のスタンスだったと思う。その憤りはなかなか皆には理解されず、議論は進まぬままに終わったように記憶している。果たして、僕らは坂本真綾を無自覚にコントロールしてるのだろうか?
僕はあの文章を読んだ時、『流石、坂本真綾は聡明だな』という趣旨の感想を記した。その裏には、坂本真綾はそういうスタンスを取るべき存在だという意識が少なからずあったと思う。坂本真綾に対してファンが抱くイメージ、それを勝手に汲みとって彼女が自らの行動を決定することが望ましいか否かは、僕には正直分からないのだけれど、そこに問題意識を持つ人が居るということは理解できた。そのフォロワーさんとは色々あって疎遠になっているけれど、今回のMCを聞きながら僕はそんなことを思い出していた。
自分の立ち居振る舞いが他の人にどういう影響を与えるか。それに意識を払うのは大なり小なり誰もがやっていることだろう。けれど、何千・何万というファンが自分には居ることを自覚していて、そこにまで意識を伸ばそうとする人は決して世に多くないだろう。10数年来のファンとして誇らしいし尊敬もするのだけれど、必要以上に無理をしないか心配にもなってしまう。

もっと強くなりたい もっと優しい人に 君がそうだったように もっと、もっと

何時になくファンと近づいたFCイベントだったのだけれど、どこまでも遠い人なんだなーというのが僕の感想である。参加した人、読んだ人、お疲れ様でした。