清浦夏実アコースティックライブ@渋谷gee-ge

どういうタイトルを付けるか迷ったけれども、後で検索しやすいものにしてみた。清浦さんの2012年1発目のライブはアコースティック編成だと聴いて、歌声をじっくり味わいたい自分としては聴き逃せないなと、2月26日の午前にzeppであった真綾のFCイベントからそのまま渋谷に流れて参加してきた。軽くレポ。(3000+500)

いつもの

女性シンガーソングライターにフィーチャーした合同イベント『鉄ロックフェスティバルEXTRA!!!!! vol.2』に、メインアクトの1人として清浦さんは出演したのだけれど、全体として面白いイベントだったので頭から順に感想を書く。
gee-ge 【Live&Pub】
開場の10分くらい前にgee-geがある雑居ビルの4Fに辿り着いたら、階段には既に30人強の待機列が出来ていた。もう他人の事を言える年齢でもないが、10代では決してない感じの男性が殆どだったのが印象的。どの出演者のファンが多かったかは知らないけれども。このイベントは2度目の開催ながら『EXTRA』の付かない本家の方は80回を重ねているらしいので、イベントそのもののファンが多いのかも知れない。主催・ブッキングをしてる河合鉄平という人の女性ボーカル好きは、ちょっと調べた感じだと相当に思える。入ったのが遅かった割に前方の椅子に座れたのはラッキー。

本編

一人ずつ順番に書いていくけれど、清浦さん以外は軽くで。
OA:是澤寿美

かなり経ってからOAがオープニングアクトの略称だと気づいた。関西から上京した19歳の是澤さんは、アコギ弾き語りスタイル。アコギ1本でのライブ演奏を聴くのはかなり久しぶりだったのだけれど、リズムと低音がきっちり表に出せる楽器だったんだなと今更に驚いた。もちろん是澤さんに演奏技術があるからこそ、そういう印象を持てたのだろう。ガーリーな衣装に身を包んだ小柄な人だったので、相対的にでっかく見えるアコギとのギャップが可愛かった。ボーカルはギターに負けず劣らずとてもパワフルで、『Say yeah』のサビとかはキャッチーなメロディも相俟って今も記憶に残ってる。

MA1:清浦夏実
メインアクトの略称のつもり。
gee-geのステージに立つのは3度目だし、清浦さんも割と慣れてきてそう。とはいえ、直近3回の合同ライブでお世話になった”うっす”さんは、裏でやってた花澤さんの歌手デビューお披露目会の方に参加である。自分のパフォーマンスに対する評価を、自身で全て背負うステージは久しぶりだったのかもしれない。ちょっと言いすぎか。でも、ややアウェイ気味だったのは確か。
衣装は、腰に大きい黒のリボンの付いた、明るく春めいた色合いのピンクと白のボーダー柄ワンピース。ただ、膝上20cmくらいまでしか裾が無く、ニーソとの絶対領域が眩しく文字通り目のやり場に困る感じ。日芸の学園祭の衣装と正反対の、ガーリーな雰囲気が素敵だったので、ライブに行かなかった人も本人のブログを要チェック。
http://blog.oricon.co.jp/natsumi-kiyoura/archive/512/0
アコースティック編成のバンドは、上手からパーカッションの杉本さん、ウッドベースの高井さん、ピアノの長谷さんというトリオ構成。歌声にぶつかったり掻き消したりする音がなかったので、心ゆくまで清浦さんの歌声に集中できた。やっぱり女性ボーカルを楽しむなら、アコースティック編成がベストだと改めて思った。セトリは

1.旅の途中
2.夏の記憶
MC1
3.風さがし
4.パレット
5.ホログラム
MC2
6.花火
7.僕らの合言葉

という感じ。以下、適当に感想を箇条書きで列挙。

  • 『旅の途中』はイントロからピアノがジャジーな雰囲気のコード進行を刻んでて、いつもと違うアレンジを楽しめた。最後にハミング合唱がないシングル版の『風さがし』は新鮮。全体的に春をイメージする曲をチョイスしたとのことで、清浦さんの声に惹かれたきっかけでもある『パレット』を久々に聴けたのも嬉しかった。フルート演奏もあったしね。
  • 『夏の記憶』ではタンバリンを、『ホログラム』ではシェイカーを装備して、鳴り物デビューをした清浦さんなのだけれど、直前に思いつきで調達しただけあってまだまだ不慣れで、歌いながら正確にリズムを刻み続けるのにちょっと苦戦してた。精進します、とのことです。
  • 物販とラジオと次回のライブは4月4日に同じgee-geでやるという告知があったくらいでMCは控えめ。ラストの『僕らの合言葉』前の振りはNGだった気がするけれど、きっと本人も気づいてるでしょう。
  • 先日にようやっと『花火』をitunesから入手したのだけれど、音の数が少ないライブverのが好きな感じ。最初に聴いたのがライブかCD音源かというのは大きな違いなのだろな。

MA2:いいくぼさおり
黒髪ショートヘアのピアノ弾きさん。1曲目『眠れぬ夜のシンフォニー』の癖のあるメロディ・リズム・歌い方が妙にツボに刺さった。ジャジーな『snow angel』という感じなのだけれど、どうせこの表現じゃ誰にも伝わらないからいいや。お客さんとの掛け合いだったり、マイクパフォーマンスだったり、ちょっとしたピアノの弄り方がライブ慣れしてる印象を受けた。歌詞のテーマがちょっと独特だったり、コミカルなのからしっとりのまで曲の幅も広かったりで楽しめた。

MA3:中嶋ユキノ
オオトリの方は王道のバラード唄いさん。お客さん一人ひとりの顔をじっと見ながら歌う仕草が印象的で、初見でもかなり引き込まれた。個人的に少しだけ縁のある天気会社のタイアップ曲を歌ってたりもしたらしい。パーカッションの人がCymbalsでもサポートによく来てた若森さちこさんだったのを最後の紹介で知ってビックリ。金髪でショートヘアでキャップを被ってたんで、コーラスで歌声を聴くまでは華奢な男の人だと思ってました、ゴメンナサイ。

ポエム

ライブのあと数日経ってから更新された清浦さんの日記が興味深かったのでリンク貼る。
http://blog.oricon.co.jp/natsumi-kiyoura/archive/515/0
何を経て清浦さんがこういうコメントを出すに至ったのかは想像するしかないし、どんな想いでこの言葉を選んだのかも分からないけれど、ちょっとだけ書く。実はここらは何度も書いたり消したり放置したりしてて、もう何が何やら分からんことになってる。いつにも増して悪文のはず。

うまくやろう、落ち着いて、
ちゃんとした歌を歌おうってことばかりに気を取られて
悪循環して
一番大事なところを忘れてしまいました。

という清浦さんの文章を読んで、自分が清浦さんのライブに求めてるのはどちらかと言えば「そっち」なんだろなと改めて思った。「そっち」というのは、『上手く、落ち着いて、ちゃんとした歌を歌おう』だ。「そっち」と逆の言葉は「エモーショナルに感情を込めて歌う」とかになるのかなと僕は思った。ここらは対バンの人達の歌声を聴きながら考えたことでもある。
清浦さんにしろ、真綾にしろ、基本的にはCD音源での麗しい声に惹かれて聴いてるから、ライブで感情込めまくってピッチ外されるよりは譜面に忠実にやってくれた方が僕は好みなのだけれど、『光あれ』やら『月の裏側』での顔や声の表情に惹かれたりもするので、あんまりキッパリとは断言できない。感情を込めるのと音程を守るのは背反じゃないし、声量だったり歌唱技術だったりまだまだ向上の余地がいっぱいあると感じるので、そこらは実力をどんどん高めて貰えれば解決する話なのかも。
酷い事に、自分のあり方を悩んでる姿も好ましいと思っちゃってるので、好きなだけ試行錯誤して欲しい。自分で伝えたい何かがあって曲と歌詞を作る人と、ボーカリストとして受け取ったものを作品に昇華させる人とでは温度差もありそうだし、ノンタイで作詞や作曲にどんどん挑戦するとかね。現状だとリリース環境を整える必要がありそうで、そこらの事情に対しては1ファンとして無力なのが歯痒いけれども。
もっとクドクドと色々書いてたのだけれど、何の意味もない気がしたのでガッツリ消してみた。僕が考えてたのは多分この程度の内容です。1ヶ月放置した意味はきっとあったに違いない。