清浦夏実ライブ@渋谷gee-ge

前回のタイトルと合わせるためにラスト(?)なる文字を挟んでみたけれど、やっぱ止めた。2012年の4月4日、奇しくも下北沢gardenでのデビューライブから2年後の同じ日付に、歌手活動を暫く休止するという発表を行った清浦夏実のライブがあったので参加してきた。普通のレポ(2500+500)

いつもの等々

女性シンガーソングライターにフィーチャーした合同イベント『鉄ロックフェスティバルEXTRA!!!!! vol.3』のオオトリとして清浦さんは出演したのだけれど、今回も質の高いイベントだったんで、軽くだけれども順番に出演者に触れて行くことにする。
http://yaplog.jp/kawaiteppei/archive/1979
MA1:中野斗愛
gee-geへの到着が遅れてしまったので、中野さんのパートは最後の方をちょろっと立ち聞きできた程度。またの機会がありましたら。
MA2:武井ゆりな
中央後方に空席が1つあったのでここからは着席。高校を卒業して長野から上京したての武井さん。ピアノ弾きさんなのだけれど、声量が素晴らしく歌唱力もかなり高かったのと、「倦怠期」をテーマにしたコミカルな曲や、『ラブブランケット』という突っ込みどころの多いタイトルと歌詞の曲などでかなり印象に残った。
MA3:Rihwa
サポートの人を連れてギター2人体制のRihwa(リファ)さん。アコギ2本とは思えない程の骨太ロックサウンドで、本人のボーカルもそれに負けず劣らずロックでひたすらにカッコよかった。高校でカナダに留学してたらしく自作した英詩の曲も歌ってた。札幌出身てのもあって、何となくKOTOKOを思い出しました。多分お顔が似てる。
MA4:黒川沙良
どうやらギターの人とピアノの人を交互に並べてたらしい。黒川さんは、まるでこれからクラシックピアノの発表会が始まるんじゃないかという、清楚な雰囲気を漂わせたお嬢さん。外見に比して喋り口調もおっとりしてるのだけれど、歌いだすと急に声色が変わってハスキー調になるのにビックリした。1曲目は宇多田ヒカルの『SAKURAドロップス』をカバーしたのだけれど、季節的にも声色的にも知名度的にもとても良いチョイスだったように思う。
MA5:千佐真里奈
金髪でちょっぴりプリンのおにぎりヘアーが可愛かった。とてもエモーショナルで、泣いてるような歌声が素敵だった。スタンドマイクから顔を背けていくことによって、フェードアウトのようなエフェクトを再現する手法になるほどなーと感心。

MA6:清浦夏実

ということでメインの清浦さんパート。清浦さんがこのライブに対して色々な想いを抱えてることに関しては、前回のレポでもさらっと触れたのだけれど、ライブを目前に控えた4月2日、清浦さんからとんでもない発表があった。
http://blog.oricon.co.jp/natsumi-kiyoura/archive/536/0

この日をもって
私は当分、私として歌いません。
来るべき時がきたんだと、確信しています。
私は、私の直感を信じます。

僕の周囲の清浦さんファンは、この発言で大いに動揺した。文字通り受け止めるのならば、歌手活動の休止宣言でしかない。率直に受取り休止を嘆く人や、誰かとユニット活動をやるのだろうと前向きに捉える人や、他にも色々な憶測が飛び交ったけれど*1、清浦さんからそれ以上の情報が出されることは無く、それぞれが色々な不安と覚悟を抱えながら臨んだライブだった。
というような事情だったので、当初は参加の予定が無かった友人もgee-geに遊びに来たし、高井さん、宮田さん、北川さんといったこの1年間の清浦さんのライブ活動をサポートしたアーティスト陣や、佐々木社長、福田D、宮井さんといった飛び犬陣営、たまゆらのサトジュン監督や沖井礼二といった豪華な面子が客席後方に陣取る、ちょっと異様な雰囲気の客席サイドだった。ここらはステージ内容とは直接は関係ないし、異様な雰囲気ってのは自分の主観でしかないけれど、これは本当に何かが終わってしまうのかもなーと、清浦さんのパートが始まる前から思ってしまったのは確か。
この日のイベント順序に従ってかは知らないけれど、清浦さんはピアノの宮嶋みぎわさんとの2人舞台。奇しくも前回に続いてのアコースティック編成となったけれど、新鮮なアレンジが多くてとても良かった。みぎわさんは今回のイベントで清浦さんとは初めましてだったらしく、終わった後にバーカウンターで北川さんと喋りながら、あのアレンジで大丈夫だったかなーとか振り返ってたのが面白かった。人の曲をアレンジするってのも緊張するだろなー。
セトリに沿って適当にコメント挟みつつ

01.すぐそこにみえるもの

初めて清浦さんの生歌を聴いたのは、『十九色』発売直後に六本木であったイベントで、1曲目に弾き語りをしたこの曲だったのを思い出した。2年前のワンマンで唯一セトリに入らなかったのもこの曲。小作品だけど、とても思い出深い1曲。

02.虹色ポケット

イントロのフルートの最後をミスって、やっちゃったって顔をする清浦さんが可愛い。何度も見たけれど(それはそれでどうなんだろう)、清浦さんの好きな表情の1つ。全体的にテンポがやや速かったように感じた。間奏のフルートは成功させた後に、(多分)北川さんが『yeah』って小さく合いの手入れてたのがカッコよかった。

03.悲しいほど青く

今回、清浦さんが休止を決めた理由の1つは、歌手としてもっと成長したいという願いがあったのだろうと思うけれど、例えばこの曲だと『頬を伝う涙』の高音を伸ばす所で、喉に無理を掛けずにシッカリした声量を長く維持できるようになれば、もっと魅力的な歌手になるのかなとは思った。勿論、今の声質の良さが損なわれない事の方が、個人的には大事なんだけれどもね。ここらの話は前回と同じか。

MC1

あろうことかハイヒールの靴を脱ぐ。衣装はワンピースの上にスーツのジャケットを羽織ってた感じで、やっぱり発表会ぽかった。前回に比べると格段に大人びて見えました。あと、やっぱり顔の位置と大きさが他の出演者達と違いすぎる。

04.ホログラム

ここら辺から歌詞が自分に刺さり始める。『また会おうね 約束をしよう』とかその他諸々。今考えると、もうこの段階で自分は活動休止を受け入れてたのかも知れない。

05.お弁当を食べながら

ここらへんのセトリも、終わってしまうんだなーというのを沸々と感じさせた(歌詞のグツグツとかけてみた)。清浦さんの持ち曲の中で、ピアノといえばこれは外せないのかもしれないが、歌詞やメロディの持つ優しさ以上に物悲しいイメージを抱いてしまった。

MC2

私として歌を歌うことを止めたいと思います。というblogのコメントの説明。いつの日か、この決断を皆さんに喜んで貰えると確信してます。復帰する時まで自分の楽曲たちを愛しながら待ってて欲しい、とも。

06.花火

らららグッバイ。たまゆらとのタイアップのはずなのに、この日この場の為に作られたんじゃないかと思ってしまった。ライブ後の物販で10年後でも待ちますよと言ったら、そんなには掛からないと笑われたけれどw この曲はやっぱりライブでのアレンジが好きだな。

07.僕らの合言葉

イントロのピアノコードアレンジがちょっと面白くて、言われないと何の曲か分からなかったかも。ちょっと野太いけれど、キッチリ合いの手を入れてくれる素敵なファンが集まってました。

enc 
08.七色(弾き語り)

原キーの七色キター。『終わらないでと ただ願って』とか、そういうフレーズがやっぱり刺さる。ちょっとした短いフレーズを拾って、現状に重ね合わせて考えてしまう経験は、YCCMツアーでの中野初日以来の感覚。32さんよりはピアノ上手いと思う。あと、やっぱり原キーのがしっくり来た。

09.パレット

みぎわさんが再びピアノを担当し、清浦さんを好きになったきっかけでもあるパレットが最後の曲になった。2年前に飛び犬のHPの試聴音源で魅了されたまんまの麗しい声にウットリ。
どうやら清浦さんにとっては長いこと冬だったらしい。まぁ、売上的に寒かったことは否めないが、この感覚はsに高校時代がアレだったと言われたときの感覚に似てるな。やや個人的事情過ぎるので省略。

と、オオトリらしく9曲も歌ってくれた。とはいえ本編は前回と同じ7曲か。終演後はいつもの物販コーナーで、サイン入りシングルをコンプリートしたり、グッズを揃えたり。覚えて頂いてるようで嬉し恥ずかし申し訳なし。その後は友人と喋りながらも自分の若かりし頃を思い出す沖井・北川両氏の渋谷系楽家トークを小耳に挟むのに忙しかった。涙ながらに呑んだくれる覚悟もしてたけれど、割と淡々と帰ったとさ。
今回の歌手活動休止は、友人が清浦さんとお話した所によるとだけれど、ブログでの発表直前に決意したものらしい。清浦さんは自分を衝動に任せて決断するようなタイプではないと思ってて、敢えて今回の決断に踏み切ったそうな。大学4年という状況や、周囲の色々な環境もあったのかな。10年後に自分が生きてるかあんまり自信ないけれど、とりあえずノンビリ待ちたいと思う。北川さんに少し尋ねてみたら割と軽く捉えてるようだったし、そこまで遠くはないことかもね。
で、暢気にレポート書くのを先延ばししてたら、ラジオのゲストに来たアーティストとの約束を守るためとかで、6月11日に柏であるライブイベントのゲスト参加が決まってた。自分の曲は歌わないそうなのだけれど、行けたら行こうかなーと思ってる。行った人、読んだ人、お疲れ様。