帝国劇場ミュージカル「レ・ミゼラブル」

途中で下書きが消えて心が折れたんで、再開するのに1日かかってしまった。
卒業旅行で訪れたロンドンのQUEEN'S THEATREでレミゼを見たのが2年半前。盆を初めとした舞台装置と、それを最大限に活かした演出技法、アンサンブルによる合唱曲が持つパワーに魅せられ、いつか日本でも公演を見ようと決意したまでは良かったのだけど、ユゴーによる原作を読んでおこうと買い込んだ新潮文庫の5冊が思ってた以上にヘビーで、3巻途中で読書を中断&放置モードに。
結局、真綾エポの引退説がそれなりの現実味を帯びてくるまで劇場に足が向かなかったのは、腰の重い自分らしいと自戒半分自虐半分。そもそもロンドンで半ば突発的にレミゼ見ようと@reppetsに主張したのも、真綾がエポ役をやっていたからなのだけどね。真綾をエサにすると簡単に釣れるんで試したい人はどうぞ。
見に行った20日のマチネは予想通りオバサマの群れ群れ群れ。ロビーの物販の変な充実ぷりや歓談の騒がしさは、所謂ライブやクラシックコンサートとも違う雰囲気。20代の男性客とか皆無です、当たり前だけど…
自分の座席は舞台下手側の2F最後方付近。ロンドンの時と同じで上から見下ろす感じだけど、帝国劇場の方が傾斜が緩やかな印象。恐らくは劇場が大きいからそう感じるんだと思う。1幕と2幕合わせて3時間弱の長丁場なんで、椅子の座り心地は相当重要なポイントだけれど、クッションが程よく効いてて座り疲れは感じなかった。ここらは流石といったところ。
肝心の本編に関しては、プリンごとの演技の違いにまで言及できる業の深い人がごまんと居るジャンルで、誰々の演技がどーだったと書く知識も度胸も無いのと、オペラグラスを通しても表情を見るには辛い距離だったので、思ったことを箇条書きに書くにとどめておきます。

レミゼ初体験の時は英語だったので、台詞(歌詞)に関しては1割も聴き取れなかったのだけど、全編日本語の今回は予習なしでも8割強は聴き取れたし、各場面がどういうシーンなのかは理解できていたので、お話に没頭できたのが何よりも大きかった。でも、ところどころの節回しには違和感を覚えた。相当苦心して日本語訳作ったんだろうけどね。
・盆を使った舞台演出への驚きが無くなったのと、原作を読んで各シーンの間の時間経過が掴めていたのもあって、特に序盤の裁判での告白までの場面転換が早いと感じた。全体で3時間近い群像劇だし、他に削れるシーンがあるわけでもないから慣れるしかないのだけど。
・リトコゼの声の可愛さと歌の上手さは末恐ろしい。張上げてても幼く聴こえる声ってやっぱり大人が作っても限界があるんだよね。ガブもかなり上手かったしこの年齢帯だとあまり国による差はないのかも
・一つのメロディが、場面を変えて、歌詞も変えて複数回使われる手法は場面ごとに登場人物の心情を比較しやすくて面白い。メロディそのものにしっかりとした意味づけがされてるから可能なのだろう。
・バルジャベの対決やワンデイモアとかの異なる歌詞を同時に歌う場面は流石に予習しないと何も聴き取れない。
・オケのシンセの音色が若干安っぽすぎる気がする。狙ってあの音にしてるのだとは思うけど
・『At The End Of The Day』とか『Master Of The House』とか『Do You Hear The People Sing』とかのアンサンブルも大合唱する曲が好きなのだけど、PAの関係か帝国劇場が広すぎるのか迫力がもうちょいとだけ欲しかった
・舞台がパリに移ってからのエポが出る場面ではずっとオペラグラスで追っかけてた。娼婦の場面も出てる気がしたけど見つけられなかったし、『あいつはジャベール』の場面でも見失った。まだまだ経験値が足りない。
・真綾の歌に関しては期待通りだったかな。伊達に今年だけで6回も生で聴いてない。ただ、坂本真綾としてではなくエポニーヌとして観てることが多かったかも。演技をしてる所を見るのはletter以来だから6年ぶり。細かい仕草とか表情はどう頑張っても見えなかったので、楽日までにもう一度行くとしたら、次は1階の前から5列目くらいで見てみたい。

帰宅してからも海外で行われた10周年記念コンサートの映像見たり、CD聴いたり、他の人の感想を読んだりとレミゼ熱が冷めないまま。実際に見てるときはそこまで感動したりはしなかったのだけど、深夜にレミコン聴いてたらうっすら涙目になった。心揺さぶられるメロディが多いのがレミゼの一番の魅力だと思う。是非また行きたいので、誰かしら誘うかも。