sasakure.UK presents「有形ランペイジ」ショウケース@築地BLUE MOOD

クリエイターとして全幅の信頼を置いてるうちの1人であるsasakure.UK(以下ささくれさん)の楽曲をバンドで再現するという趣旨のライブををやると聞いて、年末はスケジュールが立て込んでるのも無視して22日に参加してきました。色々得るものがあったので大正解。(3390+α)

いつもの

築地BLUE MOODは2011年の9月17日に出来たばっかりの新しい会場で、ライブハウス兼レストランというBLUE NOTE TOKYOとかと似たようなコンセプトの場所。名前も似てるしね。開発著しい汐留の端っこで築地市場に隣接する商業ビルの1Fに納まってました。当然のように初利用。
料理もお酒もミュージックチャージも青山のアレよりは安いけれど、もっと小規模かつカジュアルでホール担当の人数が少ない感じ。今回はイベントが変則的な構成だったので、その意味では嵌った会場ではあったのかも知れない。音と視界を意識してやや離れた下手側から見物してました。


このblogを普段見に来てくれてる人だと、ささくれさんを知らない人が少なくないと思うので、たっぷり説明してくれてるリンクを貼っておく。『ワンダーラスト』とか『カムパネルラ』とか『bAd Companyz』とか聴いてみて!
ささくれPとは (ササクレピーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
ささくれさんはDTM畑の人なので、Chiptune系の音遣いや変拍子が特徴なボーカロイド楽曲をどのように生バンドで演奏するかが今回の見所の1つだった。バンド名の『有形ランペイジ』はDTMという形の無いものを実際に楽器で演奏するという意味と、ささくれさんのUKとのダブルミーニングだったらしい。ランペイジはささくれさんの曲名の一部からで、元々はその一曲だけの企画だったのが、何だかんだで膨れ上がったらしい。

そんな有形ランペイジのメンバーは次の人たち。Producer:sasakure.UK、Vo:marina、Gt:佐々木秀尚、Key:白井アキト、Ba:二家本亮介、Dr:今井義頼、Cho:まゆ。各人共に20〜30の若手プレーヤーなのだけれど、素晴らしい腕前だった。ライブの紹介ページに詳細に書いてある、バンドメンバーの説明文は伊達じゃなかったわ。
http://www.umaa.net/2011/12/sasakureuk_presents1122.php-221217.php
ステージ配置は、上手手前にキーボード、そっからステージ中央奥に向けて、ベース、ドラムと並び、下手の手前にギター、下手の奥のカメラから見切れる部分にささくれさんの機材ブース。

本編

全体で4部構成になっていて、終始ニコ生で配信されてたけれど、生音で味わえて良かったと思えた。パートごとに軽く触れていこう。

1部

1. Amaranth (作曲:白井アキト)
2. Havona (作曲:Jaco Pastorius)
3. Home (作曲:佐々木秀尚)
4. 横断歩道 (作詞・作曲:marina)
5. 一触即発 (作詞・作曲:marina)

冒頭は有形ランペイジのメンバーによるオリジナル楽曲のパート。最初の3曲はGt,Ba,Ky,Drの4ピースでのインストで、その後ボーカル入って2曲。ささくれ楽曲ではなくてどの曲も知らなかったのだけれど、このパートが素晴らしく良かった。すんげー良かった。超良かった。
1曲目がキーボードのお洒落なイントロから始まり、ギターとドラムのハイハットが混じった段階で、このライブは凄いものになるっていうのがヒシヒシと伝わってきて、思わず背筋を正してしまった。ギターとキーボードが流れるようにメロディを紡いでいくのを、ドラムとベースがキッチリ下支えする理想的な4ピース。フュージョンに触れる機会って殆ど無かったのだけれど、こんな素晴らしいものが聴けるなら掘り下げてみたいと思った。
『Amaranth』は疾走感のあるキーボードの旋律が美しくてお洒落な感じ。『Havona』はジャ ジャーーーンっていう決めのフレーズが古臭くてカッコよいプログレっぽい曲。『Home』はギターとキーボードのアドリブによる掛け合いみたいな遣り取りが楽しくて、セッションってこういうのを言うんだなーと感動してしまった。
Vocalのmarinaさんはガルデモでも歌ってたらしいけれど、ABは未視聴だったので余計な情報を持たずに味わえた。低音の泣きがとても魅力的で、『横断歩道』とか初聴きながらも歌詞をキッチリ理解できたし、歌が上手いだけじゃなく非凡なモノを持ってそう。イヤモニを終始気にしてるのが可哀想だったけれど。あと、ステージ慣れしてないのか細かいミスがちょこちょこ。

2部

クールでイケメンで2枚目のささくれさんによるトークコーナー。最早何も言うまい。

3部

この日のメインである、ささくれ曲を有形ランペイジが演奏するパート。

1.ロストエンファウンド
2.ぼくらの16bit戦争
3.マリーの世界
4.ウタカタ永焔鳥
5.タイガーランペイジ
6.ハロープラネット

大雑把に言えば、ボーカロイド曲のバンド再現というよりは、有形ランペイジというバンドでどういう風にボカロ曲を再構築するかというライブだった。marinaさんは何でもこなす器用なタイプというよりは、音域的にも曲調的にも得意なジャンルというのを明確に持ってる人っぽかったし、ミク、リン、ルカ、GUMIという4つのボカロによる多様な曲を、原曲のイメージのままっていうのじゃ無かったのは正解だと思う。
『ロストエンファウンド』はちょっぴりキーを落としつつも原曲のイメージが割と残ってた。『ぼくらの16bit戦争』はサビでギター佐々木さんの32分戦争が。『マリーの世界』はABメロのシットリした低音が美しい部分と、サビの激しさのギャップが良かった。
『ウタカタ永焔鳥』はこのバンドならではのジャジーな感じでお酒が美味しい。『タイガーランペイジ』はロック成分マシマシ。『ハロープラネット』は原曲のchiptuneから一転して、ベースとハイハットが高速で刻み続けるジャジーなアレンジ。
とまぁ、凄くザックリ纏めてみた。今回聴けなかったので聴きたい曲もまだまだあるので、是非2回目も実行して欲しい。ボーカルを複数人立てたり、『Jack◆』とか『エピトゥリカ』とかも聴いてみたいね。

4部

ささくれさんによるドヤ顔DJタイム。縦ノリでもないし、気づかない間に曲が切り替わってるみたいな繋ぎテクを披露するでもない、ささくれさん独特のDJ。サンプラーを筆頭にその場で音を継ぎ足すことが多いのが特徴かな。ナナドラOPのフルサイズとか、最近関わった商業系のremix曲が多かった気がする。生で「ヘイジャック!!」できたのは楽しかった。

終わりに

てことでザックリとしたライブレポでした。3月にメジャーでの2ndアルバムが出るそうなので、それを機にまたこういうライブをやってくれたら幸せです。