中川かのん starring 東山奈央 2nd Concert 2014 Ribbon Illusion@舞浜アンフィシアター

『桜色卒業』のLive映像を見てファンになった東山奈央の、キャラ名義での2ndコンサートに連れていってもらった。不安や期待を抱きながら参加したのだけれど、終演後の最初に思い浮かんだ感想が「東山奈央天晴れ」になるような、個人的に素晴らしい出来だった。早々に映像化も発表されはしたが、折角なので今の感想を綴っておきたい。(6700)

いつもの

会場になった舞浜アンフィシアターは今回が初利用。駅からイクスピアリを抜けて10分ほど歩いた所にありロケーションはまぁまぁ。界隈のイベントでも利用されてるのをちょこちょこと耳に挟んでいたので、箱フェチとしては気になっていたけれど、2000近いキャパとしては独特な形状をしていて面白い経験ができた。一番の特徴はエンドステージが客席に向かって半円状に大きく張り出している上に、客席全体がなだらかなすり鉢状になっていて、どこの席からでも視界を確保しやすくなっていること。自分は舞台下手側、真ん中のブロック後方の席だったけれど、ずっと視界内に演者の全身を捉えることが出来た。
音に関しては殆どカラオケ音源+歌だったので、1stみたいに生バンドによるアレンジを期待してた身としては残念でもあったのだけれど、後述する理由も含めてそこらに関しては納得したつもり。天井のアレイスピーカーから降ってくる音しか分からなかったけれど、ちょっと全体的に音が大きすぎたようには思う。一番後ろのブロックになると途端に天井が低くなってくるので、高周波域の音を強く出さないといけないのかもしれない。フル構成のバンドの音を会場全体に万遍無く届けるには少し不向きな構造なのかな。

本編

セトリ並べて逐一書ける程でもないので、箇条書きで思いついたことからダラダラと行こう。公式にセトリが載ってるので、とりあえずリンク置いておく。
http://kaminomi.jp/kanon/

  • 歌われた曲はアルバムBirthとColorsの歌モノ全部に、カバーアルバムから2曲と、アニメ1期から3期のED3曲の全部で25曲。その全てがフルコーラスで、殆どの曲に大なり小なりの振り付けがあるって事実だけで、東山奈央がこの1回限りのコンサートに向けてどれほどの練習を積み重ねてきたかが想像できる。去年から声優業での仕事も増えてきているなかで、全体としてこれだけのクオリティに仕上げたことに敬意を表したい。冗談ではなく。
  • 改めて見返してみても、よく考えて作られたセトリだったように思う。東山さんの体力にも配慮しつつ、適度に衣装替えも挟みこみ、ブロックごとにしっかりと色は出ている。MCで『Birthメドレー』って言いながら全曲フルで歌ってた部分とか、本当にメドレーにする案もあったのだろうに…。アポロを映像のナレーションに持ってくる小ネタはあったけれど、東山奈央がコンサートの頭から終わりまで頑張り続けていた。この点は予想を大きく裏切られたとも言える。もっと作品としての神のみに頼る演出になるかもと予想していたので。
  • 作品としてリリースされてるライブ映像は歌唱に修正が入ってるのが当たり前の時代なので、東山奈央が実際にライブでどれほど歌えるのかが、自分としては一番の楽しみでもあり不安でもあった部分なのだけれど、総じてこちらの予想を超えていた。割と激しい振りが付いてる曲でも声は出せていたし、バラードの高音部などウットリ出来る部分も多々あった。どちらかというと低音より高音のが伸びやかに声を出せてるように聞こえたし、ピッチコントロールも得意そうだった。好きになった切っ掛けでもあり一番期待していた『桜色卒業』は、過度に高まっていた期待をも損なわない出来栄えだった。1stでのあの曲は歌い終わった後のアレソレやカメラワークも含めての評価になってしまうのだが、情感たっぷりの1stと比較すれば振りは控えめに映ったけれど、ラストのロングトーンとか息するのも忘れて聴いていた。
  • 僕自身は"中川かのん"にはそこまで興味は無くて、東山奈央のコンサートを見るくらいの腹づもりだったのだけれど、キャラクターとその中の人という2つの関係性を意識させられたのは、アイマス7thライブ以来になるだろうか。涙ながらに「中川かのんになれなかった」と言葉にした、そんな東山奈央の気持ちを推し量れるだけの追いかけ方はしてこなかったので、ここまでのものを見せておいてという気にもなったけれど、どこぞの坂本さんの武道館公演における"普通の人"発言みたいなものだと思うことにした。東山さんにはもっと伸びていって欲しい。もらい泣きしかけたのは年取ったからに違いない。
  • 関連して。自分の耳に飛び込んできた歓声(奇声)で一番多かったのは「かのんちゃーん」だったけれど、MCで話してる時の東山さんのスタンスは99%が東山奈央としてだったように思えた。もうちょい「なおちゃーん」なり「なおぼー」なりが割合として増えるくらいが、個人的には望ましい状態に思えた。ここらは回数の積み重ねなのかもしれないし、全く他の要因があるのかもしれない。アイマス基準で考えてしまっているのもありそう。
  • この日の最大のサプライズは東山奈央の弾き語りによる『らぶこーる』だったと思う。奈落が開いた状態でピアノの旋律が聴こえて来た時は、アコースティックコーナーとしてピアニストを招きつつ、その側に佇んでシットリ歌い上げるのかなーとか思ってたら、白いローランドの電子ピアノに座ってるのはリボンを付けた女性だった。特技にエレクトーンを書けるくらい嗜んでいたというのは、帰ってからwikipediaを見て知ったけれども、1年半掛けて練習したというのは若木先生作詞のこの曲に対する思い入れもあるんでしょうな。
  • 衣装や小物は中川かのんから派生するイメージで上手く纏められてたと思う。2番目の黒い衣装での、白ストッキングと黒スカートの色彩関係における太ももの膨張率に関して、もーちょっと規制あってもと思ったけれど、ここらは人の好みの範疇でしょうさ。
  • 他のお客さんに関して。もう折って使うサイリュームは時代遅れらしい。100均でピンク1本だけ調達していったけれど、周囲に乗せられることも無かったので、折りはしたけれど殆ど振り回さなかったし、飛んだりも叫んだりもしなかった。MCに絡んでいく挑戦者が多かったけれど、叫びたい気持ちは分からないでもないが、長いフレーズはノイズでしかないことを何よりも先ず理解すべき。「買ったよー」とかがコンサートの客席も含めたテンションに悪影響を与えないギリギリの長さだと思う。コールの盛り上がりとかは楽しそうで良かったと思うけれどね。終盤の『LOVE KANON』からの3つとか。

ということで、終わった後で喋ったり、セトリ見ながら思い出したことを書き出してみた。神のみという作品が今後どういう形で展開するのか、中川かのんというキャラがどうなるのかも分からないけれど、何時の日か3枚目のアルバムや、3回目のコンサートが開かれるのを期待している。91年組にはソロ名義での活動を頑張ってもらいたい。けれど、これだけ若手のデビューが続いてると、どうやって色を出していくのかっていう問題がある。まぁ、そこらはまた別の話ですね。読んだ人、参加した人、お疲れさまでした、という久しぶりに使う締めの言葉。