「レ・ミゼラブル」25周年記念コンサート

の劇場上映が1週間限定であるということを、何となく踏んだマイミクの人の日記で知ったので、10周年記念コンサートの内容が素晴らしかったのもあり、千葉県は市川にあるワーナー・マイカル・シネマズまで見に行ってきました。ここ見てないだろうけれど、マイミクさん有難う。超有難う。
軽く感想をば
お客は楽日ということもあって、最前3列を含めても7割くらいの入り。うち、8割は女性で、男の1人客なんざ自分だけだったかも知れない。外国イベント特有のbootlegの山がyoutubeにあるんで、事前に幾つかの曲に関しては聴いてたのだけれど、やっぱり公式が出すものは音も映像も質が良かった。これもメディア化されるっぽいので是非に入手したい。
以下、個別の感想やらを箇条書き

  • オケのテンポが10周年のより所々でゆっくりだったかも。日本公演のオケはもーちょい音を頑張って欲しいなぁと思ってしまう重厚なサウンド。これだけで話の説得力が3割くらい増すのよね。
  • コンサート会場のO2アリーナは調べたらキャパ2万らしい。お客がまだ座席に着き切らないうちに開幕しちゃうのが、なんというか海外らしいマイペース。
  • 舞台上は最奥・最上段に数百人のコーラス隊、その手前の段にフルオーケストラ、さらに汎用性のある酒場?でのセットか何かの手前がステージ最前列で、マイクが前後2段で計10本近く突っ立ってた。最前列中央に舞台奥へ立ち去る出口あり。
  • 冒頭に5分くらいでレミゼの25周年を振り返る映像が、前方に3枚ある巨大スクリーンで流される。途中までこれと同じかも。http://www.youtube.com/watch?v=cEFgU8YcxVw スーザン・ボイルの映像で周囲から笑いが漏れてた。あのオーディション番組の審査員のオッサンの絵は要らないだろw
  • バルジャン役はALFIE BOE。生粋のバルジャン役者ではなくて、本職オペラ歌手なんですね。確かに素晴らしく歌は上手かったです。ただ、これは彼のせいでもないけれど、ツーロンの場面とかでスクリーンに弩アップで映るお顔がお綺麗過ぎて、化粧効果ってのも大きいんだなと再認識。銀食器を盗んだ直後の場面で、左右から警官が挟むように編集されたスクリーンの映像が印象的だった。
  • キャストで一番魅力的だったのがアンジョルラス役のRAMIN KARIMLOO。あの姿と声で説得されれば、そりゃ色ボケのマリウスでも戦うわ。男でも惚れるね。10周年記念コンサートのMichael Maguireも素晴らしかったけれど、それに勝るとも劣らない。バリケードでの警察からの降伏勧告後の『Red and Black』メロディの曲とか、死ぬ場面とかがゴッソリ削られてたのが寂しかった。
  • 演じる上で、役者の外見と、キャラクターの外見はどこまで似せるべきなのかなと見ながら思った。ジャベールの人は黒人だったし、フォンテーヌの人はかなりアジアな人(10周年の時のエポだというのを帰宅してから知った)だったけれど、そんなことを言えば、イギリス人が日本のレミゼを見たら、役者の外見には違和感しか覚えないだろうしな。それを覆すのが演技であり、歌なんだろうけれど、ビジュアルイメージってシンプルな分強いと思う。
  • 上に関連して、マリウスは確かにアンジョに比べれば歌は物足りなさが目立ったのだけれど、10周年コンサートのMichael Ballと比べるとマリウスとして見てた気がする。それは、日本人の自分がイメージする20ちょいの若者像と、今回マリウスをやったNICK JONAS(wikipediaによれば18歳)がマッチしてたからだろう。
  • フォンテが死ぬところと、ラストのバルの死で軽く泣いてしまった。エポの死では泣かないのは多分に個人的事情。レミゼはメロディとコーラスがズルイ。映画館で座って見てるだけなのに、何度身震いしたことか。真綾がフォンテーヌやるようになったら、劇場通ってしまいそうだが、やるかも謎だし、通えるかも謎だな。
  • 前述したステージ中央の出口は、象徴的に天国への道も表してたのだと解釈してるけれど、フォンテの死とその後のリトコゼの『Castle on a cloud』の繋ぎの場面で、レミゼの本編劇中では一切触れ合わないフォンテとリトコゼがすれ違う場面があった。その時にフォンテ役のLEA SALONGAがジッとリトコゼを見てたのだけれど、何か救われたような気がした。ついでにリトコゼもガブも良い味だしてた。変声期前の子役は割と層が厚い気がする。
  • テナ夫妻について。婦人は10周年記念コンサートと同じJenny Galloway。今回はリトコゼを突き飛ばすこともなく、登場も静々と穏やかでした。旦那も結構大柄かつワルな風貌で、イメージ的には原作に近かったかも。ただ『Master of the house』でのメロディ弄りがあんま好みじゃなかったのと、ミュージカルのレミゼだとテナ夫妻はコメディ担当という部分もあると思うので、10周年コンサートのペアのが自分は気に入ってます。
  • 評判がイマイチの字幕だけれど、日本語版に精通してるわけでもない自分には、助けになることが多かった。『ond day more』の曲中でマリウスが覚悟を決めたこととか、そんな基本的なことすら知らなかったのでした。一度に全てを理解しない方が、何度も楽しめて良いよねという理論武装。筋とかを全部理解しちゃうと、後はキャスト比較しかすること無くなりそうだし。
  • 今回は25周年企画だったわけだけど、ショーとして上手いなと思ったのは、大フィナーレでオリジナルキャストが出演したり、歴代の4バルジャンが『bring him home』を合唱したり、未来のレミゼを担う若い学生の大集団を登場させての『Finale』など、ミュージカル版レミゼの大きいテーマである、新しい世代への交代みたいなもの(綺麗に言葉に出来ない)を本編外でも表現しようとした点。プロデューサーのマッキントッシュが50周年について半ば冗談めかして言ってたけれど、25年後もレミゼはしっかりと続いてるだろうと、あのステージを見て確信できました。

挙げようと思えば色々でてくるだろうけれど、主だった感想はこんな所かな。来年の4月から帝国劇場で新キャストのレミゼが始まるんで、真綾は出ないけれども少なくとも1度は足を運びたいと思います。
さっきも1個張ったけれど、youtubeで『Les Misérables 25th Anniversary』辺りで検索かけると、大量に動画が出てくるんで、興味ある人は見てみてくださいな。