たまこラブストーリーを見てきた

某所に感想を投下したのだけれど、こっちにも残しておいていいかなと思ったので殆ど丸コピーだけれど置いておく。当然ネタバレありまくりなので気をつけてね。(1100)

また鴨川デルタか

今更にテレビシリーズを一気見したので、そのノリで映画も見てきた。良かった部分も多々あるのだけれど、見終わった後のカタルシスが足りなく感じてしまったのと、TVから引き続いてみどりのキャラクターとしの意義が飲み込めなくて諸手を上げては称賛しづらい。

先にネガティブな感想から。

テレビの最終話から1時間と間を空けないで映画を見たのがよくなかったのか、デラが居ないと本編がこうなるっていうのを見せ付けられた気がした。TV版たまこの少し不可思議な雰囲気を担ってたデラが登場しないと、結果も展開も予想が付く普通のラブストーリーだなーと思ってしまった。
それを丁寧に描き切ってるのを評価する心持ちは当然にあるけれど、2人に対して中立な立場から話を動かせる存在が消えてしまったことで、おじいちゃんが餅を詰まらして救急車で運ばれ入院するみたいな、見苦しい展開を挟みこまなくてはならなくなったように思えた。


テレビシリーズから引き続いてみどりの心情が量りかねた。たまこに向けられる愛情に対して本人以上に敏感で、たまこが迷惑がるだろうとその愛情伝達を阻止しようとまでしていたキャラ。進路を語ってる時に史織やかんなに比べてハッキリした目標を持ってなかったし、変化することに対してどちらかといえば消極的な役目を担っていたかな。それと逆なのが登場じは究極に人見知りな史織というのは面白い変化。
公式のキャラ相関図だとたまこに対する姿勢は保護欲みたいに書かれてるけれど、保護という単語が当て嵌まるほどみどりが大人ではないから、もち蔵に取られるのが嫌だみたいな独占欲なんだろうか。
告白できないだろうと思っていたもち蔵が動いたことに評価を改めつつも、最後の最後までもち蔵を素直に教室には向かわせず、たまこに対しても試すような嘘を伝えたのに少し違和感があった。その後で、教室に残りたまこの机に座ってかんなが来るまでたそがれてたシーンは良かったけれどさ。
声やビジュアルも含めて割と好きなキャラだったので、劇中で直ぐに報われなくてもいいけれど、何らかの方向性を見せてほしかったな。かんなのお尻を押してるの役回りに留まらずね。



残りはポジティブな感想でも。

バトン部というのがここにきて良い味出してた。投げられた告白をどう受け止めるかというのと、バトンのキャッチの連想もいいし、大会での演舞シーンも美しかった。1年と2年の後輩も入ってて、テレビシリーズの1話から1年半の月日が経ってることも分かりやすく示せてたしね。
タイトルにも書いたけれど鴨川デルタでの告白は褒め言葉としてズルイ。あそこの描写は絵になりすぎるんだよな。その後のたまこのアワアワした言動は、ええまぁ可愛かったですよ。
ラストの新幹線のホームでのやりとりも良かったけれど、その前に教室で2人きりのシチュエーションを作ろうと思ったたまこの思惑が好ましかった。しかも、もち蔵母から糸電話を受け取って持っていってるのだものね。自分の席に座って待ってる姿は美しかった。
告白したのを少し後悔しかけてるもち蔵にマスターが掛けた言葉は含蓄があった。砂糖を入れようか迷って、苦味を味わうために入れないシーンとか素敵な演出だと思う。
テープのオートリバース演出による母親の返歌も、親の世代のガジェットを上手くシナリオに練りこんだなと思ってニヤリとした。亡くなった母に関しては必要最低限の描写に留めつつもどれも印象的。
子供の頃にからかわれてたから餅が嫌いだったとかも面白い。あの男の子はもち蔵だったのかな?ハッキリ意識できいうちにシーンが変わってしまっていた。かんなの釘嫌いを直すエピソードと絡めて上手く本編の物語を動かす材料に繋げていってたなと感心。

ざっと思い出す感想はこんなところ。ちょっと視聴環境が良くなかったので、円盤が出たらまた機会を作りたいかな。お餅が食べたくなる良い作品でした。